最後に、Snapdragon Summitのみならず、今回のDeep Diveでもたびたび言及されていたセキュリティ機能の「Snapdragon Guardian Technology」に触れたい。
Snapdragonの特徴として、Always-Onの省電力動作による“スリープ状態”でも各種センサーによる検知や処理を可能にする「Sensing Hub」の仕組みがある。これは、例えば「Hey Snapdragon」などのセリフ(Wake Word)への反応、カメラで人感検知を行って離席時の自動ロックやのぞき見検知といった仕組みを実現する。
これらのセキュリティ機能はローカル動作を基本としたものだが、Guardian Technologyはどちらかといえばリモート管理を主体としたセキュリティ機能となる。
Guardian TechnologyはSoC内の専用処理部に加え、チップセットとしてSnapdragon本体とペアで運用される(セルラー)モデムや、Wi-Fi/Bluetoothモジュールとセットで構成される。これにより、例えばスマートフォンなどでは一般的なリモートワイプやリモートロック、位置検出によるデバイス追跡、そしてリモートでのトラブルシューティングや管理を実現する。
特に後者については、IntelのvProなどの仕組みに近いものを想定していると考えられ、今後Snapdragon X Eliteシリーズが法人向けPCに本格進出する際に重要なパーツになるのではないだろうか。
基本的にはメインのアプリケーションプロセッサの動作とは別に、内部でGuardian Technology制御用のサブシステムが動作しており、こういったリモートでの管理/監視機能が提供される。
デモンストレーションでもいくつかの利用ケースが紹介されており、“ジオフェンス”を想定して、特定のエリア外にデバイスを持ち出された場合に自動ロックがかかるなど、位置情報を組み合わせたセキュリティとなる。
盗難時の追跡の他に、リモートワイプもそれに該当し、PCをスマートフォン感覚で管理できる仕組みと考えていいだろう。
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