AIハブは端的に言えば、SwitchBotの見守りカメラやスマートテレビドアホンを日頃から活用しているユーザー向けの製品だ。
SwitchBotの見守りカメラを自宅などに導入しているユーザーは、SwitchBotアプリからカメラの映像をリアルタイムでチェックしたり、何かイベントが発生した際に過去の録画をさかのぼって見るといった使い方がメインとなっているだろう。
しかし、AIハブを導入することで、カメラに関連した機能を大幅にパワーアップできる。かなり多機能であるため、できることを一問一答に近いスタイルで紹介しよう。
AIハブには、6TOPS(1秒当たり6兆回)の演算能力を持つAIチップが搭載されている。さらに(おそらくクラウドとの連携を前提に動作する)VLM(視覚言語モデル)によって、映像の中で何が起きているかをテキストで表現できる機能を持つ。
実際に筆者がペットの見守りカメラとして使っている「SwitchBot スマート見守りカメラ Plus 5MP」をAIハブにひも付けて、機能をオンにしてからしばらく放置してみた。
するとアプリ内の「AIできごとログ」という項目で、カメラを設置したケージ内の様子がテキストで解説されるようになった。
例えば、カメラ映像のサムネイル画像と共に「リビングの床に敷かれたパズルマットの上に、犬が黒と白の毛色で元気よく動き回っています……」「リビングの床に座っている男性が、黒と白の小型犬をなでています。犬は興奮して前足を上げたり、周囲を歩き回った……」といった表示がされる。
上記のように、映像の中で何が起きているのかを文章で確認できる。その説明文をタップすると、そのシーンにジャンプして録画を見られるのだが、テキストの内容はかなり正確で、体感では98%ぐらい合致している。
さらに画面上部のテキストボックスに検索したいシーンを自然な言葉で入力すれば、該当シーンを探し出すこともできる。1日の出来事をテキストで要約する機能もある。
カメラの映像に映った出来事をテキストで見られるのはとても面白いが、その機能を生かせるのが、「オートメーション」機能との連携だ。
SwitchBot製品は、オートメーションと呼ばれる自動化機能が使えるのも特徴の1つで、iPhoneの自動化アプリ「ショートカット」のように、さまざまな条件設定を行ってアクションを実行できる。
例えば「人感センサーで人を検知したらライトを点灯させる」「開閉センサーに反応があればアプリに通知を送る」「湿度が○%を下回ったら加湿器をオンにする」といったアクションを自由に設定できるが、この「○○したら」というアクションのトリガーとなる部分を、映像内の出来事に設定できるというわけだ。
今回は試しに「犬が餌を食べ始めたら/犬が動き回って遊んでいたら書斎のLEDテープライトを点灯させる」というオートメーションを組んでみたところ、しっかりと動作することを確認できた。これは非常に面白い。条件設定時も自然な言葉で指示できるのがユニークだ。
これまでの連携センサー製品では実現できなかった、今までにはないオートメーションを作成できるため、アイデア次第で便利な使い方ができるだろう。
ただし、これらVLM(視覚言語モデル)を使った映像のテキスト化に関する機能については、「AI+」という月額2980円のサブスクリプションに加入する必要がある。初回1カ月間は無料で試すこともできるが、このコストをどう考えるか、価値を感じられるかは活用次第といったところだ。
AI+に加入しない場合は、ローカル処理による簡易的な検出をトリガー条件として設定できる。例えば、トリガーの条件として「あらかじめ登録した人の顔を検出したら」「動物/家具/家電/物体/人/乗り物/食べ物を検出したら」といったものだ。
また、録画データを見返す際に、それぞれが映ったシーンに印が付けられてジャンプできる機能も利用できる。
現時点では、AIハブと連携できるカメラが「SwitchBot 見守りカメラPlus 3MP/5MP」「SwitchBot スマートテレビドアホン」「RTSP対応の他社製カメラ」に限定されているが、今後も対応機種が追加される予定だという。
ちなみにSwitchBot スマートテレビドアホンを連携させた状態では、インターフォンを鳴らした人が家族なのか他人なのかを識別し、家族の帰宅状況を知らせたり、人によって異なるオートメーションを動かしたりといったことも可能だ。これらは全てローカル処理が完結するため、追加費用はない。
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