「HHKB Classic Type-S」が示す“新スタンダード”の正体 有線専用モデルを投入した理由(1/3 ページ)

» 2026年01月13日 16時42分 公開
[瓜生聖,ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 2025年10月21日に発売された「HHKB Professional Classic Type-S」は、同シリーズのラインアップ再編という意味でも、大きな転換点となる製品だ。1996年12月の初代モデル発売から29年。今回の新モデルを通して再定義された、新スタンダードに込められた意味を考えてみたい。

photo 「HHKB Professional Classic Type-S」の白(写真=上)と、雪(写真=下)

安定の完成度を求めやすい価格で

 新しいHHKB Professional Classic Type-S(以下、Classic-S)は、名称に含まれる単語それぞれに新規性はなく、既存モデルの持つ特徴の組み合わせを変更したバリエーションという位置付けだ。

 つまり、静電容量無接点方式スイッチ(Professional)を採用した有線専用(Classic)の高速/静音モデル(Type-S)ということになる。

photo HHKB Professional Classic Type-S
photo キートップは中央印字ですっきりした印象だ
photo 日本語配列もかな印字はなし
photo 右肩にType-Sのロゴがある。穴のように見えるのはCaps Lockインジケーターだ
photo 接続は有線のみ。Type-Cのコネクターで接続する

 言ってみれば、HHKB Professional ClassicのガワとHHKB HYBRID Type-SのキースイッチのニコイチモデルがClassic-Sということになる。

 外カバー部分が異なるHYBRID系とは、「電池ボックスがない」という点ですぐに見分けがつくが、非Type-Sのモデルとは、外観上では右肩にあるType-Sロゴの有無でしか見分けられない。重さは69キーの日本語配列が約540g、60キーの英語配列が約530gと、それぞれHYBRID Type-Sよりも約10g軽くなっている。

 バリエーションは墨、白、雪の3色に、日本語/英語配列の合計6モデルで展開される。なお、PFUによると墨がもっとも人気があり、全体の約半数を占める。

photo 墨、白、雪×日本語/英語配列の6モデル展開

 次点が雪の約3割、以前からのスタンダードな白は約2割とのことだ。また、HHKBの場合は日本語/英語配列はシフトキー併用時の一般キーの違い以上に「矢印キーの有無」という点がユーザー体験に与える影響が大きいが、これらについて変更はない。また、全てのバリエーションでキートップが中央印字となっている。今までのモデルでは雪以外は左上印字だったため、こちらも標準仕様となりつつあるようだ。

photo 日本語配列では右下に矢印キーがある。一般キーと同サイズの右シフトキーがそれより右に配置されていることについては賛否ある
photo 初代HHKBから変わらない英語配列には矢印キーはなく、Fnキーと「[」「;」「’」「/」の併用となる

 Type-Sとしての機構は従来通りで、プランジャーとハウジングの間に衝撃/振動を吸収する緩衝材で作られたOリングを配置、押下されたキーが戻る際に発生する音を2500〜5000Hz帯で刺激が下がるように改善、非Type-Sモデルと比べてタイプ音を約30%低減しているという。

 キー押下時のブレを抑えるため、駆動部のかみ合わせもよりタイトに設計されている。キーストロークも非Type-Sの4mmから3.8mmに変更、押下圧45gとあわせて高速タイピング向きのセッティングとなっている。

photo 従来のType-Sモデル同様、プランジャー/ハウジング間に衝撃吸収材のOリングを配置

 既存のType-S系モデルからは実際のタイプ音/キータッチともほとんど変化は感じられない。キー軸のブレが小さくなり、より静音性が高くなったような印象も受けるが、金型や内部構造に変更がないことを考えると、最近メカニカルキーボードを多く使っていた筆者個人の体験が影響しているだけかもしれない。

 あり得るとしたら、電池ボックスがないことによる重量バランスやボディー内反響の変化だろうが、基本的には違いはないと考えてよいだろう。

photo 「HHKB Professional Classic Type-S」(雪)の天面
photo 「HHKB Professional Classic Type-S」(雪)の底面
photo 「HHKB Professional Classic Type-S」(雪)の背面
photo 「HHKB Professional Classic Type-S」(雪)の前面
photo 「HHKB Professional Classic Type-S」(雪)の左側面
photo 「HHKB Professional Classic Type-S」(雪)の右側面。HHKBは底面のチルトスタンドを3段階で切り替えられる
photo チルトスタンド2段階目
photo チルトスタンド3段階目
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年11月07日 更新
  1. メーカー自身がバックドアを仕込み、犯罪集団に“販売” 乗っ取られたTV用端末130万台超、Googleが遮断 日本の警察庁も参加 (2026年11月05日)
  2. Windows PC向けゲームの「ロード待ち」はなぜ起こる? 背景に過去との「互換性」 (2026年11月05日)
  3. 画面は見やすく広告なし! 睡眠モニター機能はどう? Amazonの新型スマートクロック「Echo Time」の使い勝手と気になる点 (2026年11月06日)
  4. 耳をふさがないEDIFIER「Comfo Bass Pro」は朝から夜まで充電不要 1万円強でLDACとDolby Audio対応、在宅勤務の“つけっぱなし”にピッタリ (2026年11月06日)
  5. 手書き文書の文字起こし+会話録音も可能なスマートノート Makuakeで先行販売を開始 (2026年11月05日)
  6. ミュンヘン市はなぜ再びオープンソースソフトウェアへ回帰するのか? 脱Microsoftを巡る欧州の最新事情 (2026年11月04日)
  7. 月1200ドルのAIコストが電気代20ドルで済む? NVIDIA「RTX Spark」搭載PCのデモで見えた“ローカルAI”の実力 (2026年11月04日)
  8. 価格は約9万円に上昇、それでも“買い”か? DJIの360度カメラ「Osmo 360 II」を初代と比べて分かったこと (2026年11月05日)
  9. エイサー、フルHD×2面表示が可能な折りたたみ式15.6型/23.8型デュアルモバイルディスプレイ (2026年11月05日)
  10. アイネックス、デスクトップPCの電源操作を手元で行える有線リモコン (2026年11月05日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー