REALFORCEの前モデルはR3となるが、発売時期で見ると直前の製品はRC1となる。RC1は同ブランド初の70%レイアウトを採用したコンパクトキーボードだ。RC1では、R3にはなかった機能や仕様向上が含まれており、その一部が今回R4に導入されている。
その1つがAPC(アクチュエーションポイントチェンジャー)の詳細化だ。R3ではAPCを各キー0.8/1.5/2.2/3.0mmの4段階から選択して設定することができたが、RC1では0.8〜3.0mmまで0.1mm単位での指定となっていた。R4もRC1同様の設定が可能となっている。
キー全体に対するAPC設定もRC1に準じている。R3では全キー同じ設定で1パターン、各キー個別設定で2パターン、計3パターンを一括切り替えできるようになっていたのに対し、R4ではRC1同様、各キー個別設定で4パターンが設定できるように拡張された。全キー同じ設定はなくなったものの、これは各キー個別設定で全キー同じ設定にすれば代用できる。
キーマップもR3の2面に対し、R4はRC1同様4面が設定/保存できる。キーマップの切り替えは専用ツールであるREALFORCE CONNECTから選択するか、機能キーであるKeymap+、Keymap1 Select〜Keymap4 Selectをいずれかのキーに割り当てて切り替える。
そしてもう1つ、2025年2月のREALFORCE CONNECTアップデートにより、特定のキーを押している間だけキーマップを変更できるモーメンタリーキー機能が追加された。これはR4だけでなく、R3やRC1でも利用可能な機能だが、どういうときに便利なのか、ちょっと分かりにくいかもしれない。
1つ考えてみたのが、モーメンタリーキーを割り当てたキーを仮想的なFn2やFn3キーとして利用することだ。モーメンタリーキーはMap1_Momentary〜Map4_Momentary、Map1Fn_Momentary〜Map4Fn_Momentaryの計8つがある。
例えば、Fnキー+WASDはデフォルトだと後述のマウス移動エミュレーションに割り当てられているが、別のキー+WASDを押したときは矢印キーに割り当てるなど、1つのキーに対して同時押しの際の機能を二つ以上与えたいときに活用できる。
例えば、キーマップ2+FnでWASDを矢印キーに割り当て、キーマップ1でFnMap2_Momentaryをアプリケーションキーに割り当てる。そうすればアプリケーションキーとWASDの同時押しで一時的にキーマップ2+Fnに切り替わり、WASDが矢印キーとして動作することになる。
このマウス操作エミュレーションはRC1にもなかったR4の新機能だ。初期設定ではFn+WASDでマウスカーソルの移動、Fn+ZXCでマウスクリック左中右、Fn+矢印上下でホイール、Fn+矢印左右でチルトが割り当てられているが、これらは再マップ可能だ。また、初期状態では割り当てられていないものの、マウスの進む/戻るも設定可能になっている。
マウスの移動については定量移動であり、マウスによる操作よりも精度が粗い(1回の押下での移動量がそこそこ大きい)ことや、初期状態だと右手でFnキー、左手でWASD操作となってマウスを使いながら、という操作には向いていないことなどから、役に立ちそうな局面は限定的に感じた。
ただ、REALFORCEはFnキーそのものも再マップ可能なので、利用頻度の低いCaps Lockを2つ目のFnキーに割り当てるなど、工夫の余地はありそうだ。
一方、ホイール/チルト機能については特に苦も無くすんなりと手になじんだ。テキストエディタで編集を行っている際に、マウスに手を伸ばさずにスクロールできるのはずいぶんと楽だった。
これはホイールスクロール/チルト機能がマウスカーソルの位置に影響されないため、マウスカーソルがどこにあるかを意識しなくてもよいことが大きな要因だろう。
キーボードを使って操作している時はマウスカーソルが非表示になっていたり、アイビームポインタになっていたりすることが多く、そこからキーボードを使ってマウス移動やクリックを行うときの挙動は非直感的なものがある。
ただ、OutlookやMicrosoft ToDoを使っているときに日本語入力を切り替えたタイミングでフォーカスを失ってしまうという不具合(Alt+`で切り替える英語配列キーボードのときだけかもしれないが)に対しては、Fn+zで即座にフォーカスを戻せることは便利だったが、これはちょっとニッチすぎるシチュエーションかもしれない。
また、新たにREALFORCE CONNECTのオンライン版(β版)の提供も始まっている。社用PCなど、ソフトウェアが利用できない環境でキーマップやAPCを調整したいときに利用できそうだ。
インタフェースはQMKファームウェアで利用されるキーマップ設定ツール、VIAに似ており、人によってはアプリ版よりも使いやすいと感じる人もいるかもしれない。対応機種はR4の他、RC1、RT1(テンキーボード)、接続方式はUSBのみとなる。
電池駆動の無線接続時にはエコモードにも対応しており、一定時間操作がないと自動でBluetooth接続を切断して無線オフの省電力状態に移行する。
エコモードは一部カスタム可能だが、プリセットでの動作/カスタム可能な設定はR4、R3、RC1ともバラバラだ。R3ではスリープと無線切断、ロック状態のLED(Caps LockやScroll Lockなど)の点灯有無、RC1では電源オフと無線切断という動作になっていたのに対し、R4は電源オフやLED消灯はなくなり、無線オフのみとなっている。
また、ボディー前面および側面に近接センサーが搭載されており、手を近づけるだけで復帰するようになった。電源オフがなくなったり、LEDが常時点灯するなど、R4は今までのモデルよりも省電力状態でもそこそこ電力を消費しそうな気もするが、マニュアルに記載されているアルカリ乾電池使用時の動作時間目安は約3カ月と、R3から変化はない。
2000mAhから2500mAhの単3形乾電池2本のR3に対して、1000mAhから1200mAhの単4形乾電池3本のR4では容量にも差があるので、実際には前モデルよりもかなり省電力設計となっているのだろう。
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