Western Digitalがブランドを「WD」に統一 100TB超の大容量化とSSDに迫る高速化技術のHDDも開発中(2/2 ページ)

» 2026年02月04日 16時00分 公開
[井上翔ITmedia]
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HDDのパフォーマンス向上

 データセンターにおけるAI処理は、高速なデータの読み書きと応答(レスポンス)を求められることが多い。SSDを始めとするフラッシュストレージと比べると、HDDは読み書きと応答の速度面で不利な傾向にある。しかし、現在も容量当たりのコスト面ではHDDが圧倒的に有利だ。

 そこでWDは以下の2つの技術を用いてHDDの読み書き/応答速度の高速化を図り、QLCフラッシュとの差を縮めることで「フラッシュ専用と思われていたワークロードにも対応」させるという。

  • 広帯域ドライブ技術:複数ヘッドが複数トラックから“同時に”読み書きを行う
    • 現状では従来のHDDの最大2倍の速度で読み書きできる
    • 最大8倍まで高速化する道筋はできている
  • デュアルピボット技術:独立した2つ目のアクチュエーターを別の回転軸に追加する
    • シーケンシャル(連続)読み書きを最大2倍に高速化可能
    • ディスクの間隔を縮小できるのでプラッターの枚数を増やしてさらなる大容量化も可能
広帯域ドライブ 広帯域ドライブ技術については「最大2倍」までのパフォーマンス向上は実現しており、「最大8倍」まで向上できる道筋はできているという
実動デモ 広帯域ドライブ技術の実動デモ。未適用のHDDと比べると、確かに2倍程度の速度を実現できている
デュアルピボット技術 デュアルピボット技術は、その名の通り別の回転軸に2つ目のアクチュエーターを設けることでシーケンシャルアクセスの改善を図っている。WDによると「業界初」とのことだ
実動デモ デュアルピボット技術の実動デモ

「電力最適化HDD」の開発

 AIの学習/推論処理では、アクセス頻度の多い「ホットデータ」と共に、アクセス頻度の低い「コールドデータ」も生成される。

 一般的なコールドデータであればテープメディアに保存するという方法もあるのだが、AI処理ではコールドデータ“も”迅速に読み出せないと処理パフォーマンスに影響を及ぼしてしまう。「HDDならマシでは?」と思うところだが、コールドデータを保存する大容量HDDはコスト面で不利になりうるという課題もある。

 そこでWDでは「電力最適化HDD」の開発を進めているという。これは従来の3.5インチHDDの形状は保ちつつ、「ランダム読み書きの抑制」によって「より大容量かつ低消費電力」を実現したHDDで、「AIデータを大規模かつ経済的に持続可能な形で保存することを可能にする」という。

 電力最適化HDDは、2027年からユーザー環境での評価(テスト)を開始する予定だ。

電力最適化HDD 電力最適化HDDは「5〜10%のパフォーマンスを犠牲」にする代わりに、「最大20%の消費電力削減」と「10%の容量アップ」を得られるという。コールドデータであっても一定以上の読み出し速度を確保しないといけないシーンで活躍するそうだ

プラットフォーム事業の拡大も実施

 HDDの技術革新とは別に、WDではプラットフォーム事業の拡大も実施するという。

 中小規模のデータセンター/サーバでも、いわゆる「ハイパースケーラー」と同等なストレージ面における規模の利益を得られるように、「オープンAPIを通じたソフトウェアレイヤーの開発」を含めてプラットフォームの構築を進め、2027年内に提供を開始するという。

プラットフォーム プラットフォーム事業にも注力するという
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