データセンターにおけるAI処理は、高速なデータの読み書きと応答(レスポンス)を求められることが多い。SSDを始めとするフラッシュストレージと比べると、HDDは読み書きと応答の速度面で不利な傾向にある。しかし、現在も容量当たりのコスト面ではHDDが圧倒的に有利だ。
そこでWDは以下の2つの技術を用いてHDDの読み書き/応答速度の高速化を図り、QLCフラッシュとの差を縮めることで「フラッシュ専用と思われていたワークロードにも対応」させるという。
AIの学習/推論処理では、アクセス頻度の多い「ホットデータ」と共に、アクセス頻度の低い「コールドデータ」も生成される。
一般的なコールドデータであればテープメディアに保存するという方法もあるのだが、AI処理ではコールドデータ“も”迅速に読み出せないと処理パフォーマンスに影響を及ぼしてしまう。「HDDならマシでは?」と思うところだが、コールドデータを保存する大容量HDDはコスト面で不利になりうるという課題もある。
そこでWDでは「電力最適化HDD」の開発を進めているという。これは従来の3.5インチHDDの形状は保ちつつ、「ランダム読み書きの抑制」によって「より大容量かつ低消費電力」を実現したHDDで、「AIデータを大規模かつ経済的に持続可能な形で保存することを可能にする」という。
電力最適化HDDは、2027年からユーザー環境での評価(テスト)を開始する予定だ。
電力最適化HDDは「5〜10%のパフォーマンスを犠牲」にする代わりに、「最大20%の消費電力削減」と「10%の容量アップ」を得られるという。コールドデータであっても一定以上の読み出し速度を確保しないといけないシーンで活躍するそうだHDDの技術革新とは別に、WDではプラットフォーム事業の拡大も実施するという。
中小規模のデータセンター/サーバでも、いわゆる「ハイパースケーラー」と同等なストレージ面における規模の利益を得られるように、「オープンAPIを通じたソフトウェアレイヤーの開発」を含めてプラットフォームの構築を進め、2027年内に提供を開始するという。
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