Insta360初ドローン「Antigravity A1」実機レポ 360度カメラが生む“空中を自由に見渡す”没入感とは?(3/3 ページ)

» 2026年02月06日 12時30分 公開
[青山祐介,ITmedia]
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撮影アングルを気にすることなく飛行に集中できる

 もちろんAntigravity A1はただ飛行させるだけでなく、最大8Kの動画、最大5500万画素の写真を撮影できます。これらの映像は専用のスマホアプリ「Antigravity App」(iOS/Android)または、PCソフト「Antigravity Studio」に取り込んで編集することで、さまざまなメディアで楽しめます。

photo Antigravity Studioによる編集画面

 ここでポイントとなるのが、Insta360の360度カメラと同じように、カメラアングル(構図)は飛行時ではなく後から選べるということ。

 ドローンは空中を飛行して自由自在なアングルの撮影ができます。それまでこうした“鳥の目”の視点による撮影は、ヘリコプターのような航空機からでしかできなかったものが、ドローンの登場により誰でもできるようになったということで、日本でも2010年代に入って人気が出ました。

 ただし、ドローンを使った撮影は動画のカメラワークと同じように、スムーズで繊細な操縦技術が求められ、初心者にはかなり難しいとされてきました。

 しかし、Antigravity A1であれば飛行中に録画ボタンを押しさえすれば、機体の周囲360度の景色を記録しているため、いわゆるカメラワークは収録した360度の映像から切り取る形でアングルを決めればいいのです。また、単にアングルを選べるだけでなく、360度全周を球体状に表現する“リトルプラネット”といった、360度カメラならではの映像表現もできます。

自転車に追走して撮影したところ

 また、ドローンによる空撮では動く被写体を近距離から撮影するというのはなかなか難しいものです。しかし、Antigravity A1であれば、カメラのアングルのための操作を気にすることなく、カメラの位置だけに意識を集中して飛ばすことができるのは、ドローンによる撮影という意味で安全でとても助かります。

格納式スキッドや外部ディスプレイ付きゴーグルといったオリジナリティー

 Antigravity A1を同程度のサイズや価格感のドローンと比べてみると、改めて同機のオリジナリティーが感じられることを見つけることができます。

 例えば着陸する航空機を支えるスキッド(脚)です。一般的なドローンでは機体の胴体やプロペラのアームにこのスキッドが付いていますが、Antigravity A1は胴体前部の左右に付くこのスキッドが格納式となっていて、離陸すると自動的に格納され、着陸時には自動的に展開されるという、旅客機さながらのギミックが付いています。

photo コの字型パーツの下面にもカメラがあることが分かる。このレンズが着陸時に設置しないように、スキッド(着陸脚)が自動的に展開する

 Antigravity A1ではInsta360ならではのスティッチング技術によって、機体を写り込ませることなく自然な360度映像を生成しています。

 一般的な360度カメラであれば今や完成された技術なのかもしれませんが、Antigravity A1のようなドローンの場合、アームの先にプロペラがあるなど、自然なスティッチングを実現するにはハードルが高いといえます。スキッドもその1つだといえ、それを少しでも写り込ませないように格納式にしたのでしょう。離着陸時にスキッドがピョコッと動くさまは、白い機体と相まってなんとなくかわいらしくも感じられるものです。

 また、専用のゴーグルである「VISIONゴーグル」は、機体からの映像を見るためのゴーグル内側のモニターだけでなく、ゴーグル外側にも大きな目玉のようなデザインでモニターが配置されています。

 このモニターはドローンが飛行しているときには、操縦者が見ているアングルの映像を映し出すことで、操縦者以外の人もドローンの映像を楽しんでもらうというものだとか。また、飛行時以外に設定などの操作を行っている時には、その状態や説明を表示します。

photo ゴーグルの“左目”に当たる部分はディスプレイになっていて、飛行中は操縦者が見ている景色が表示される
photo さまざまな機能設定時はその状態や操作の指示が表示されるため、その都度ゴーグルを装着する必要がないのがうれしい

 一般的にFPVドローンのゴーグルの操作は、もっぱらゴーグルをのぞく形でしか確認できないものですが、Antigravity A1ではゴーグルをのぞかなくても操作できるという点でとても便利だといえます。

4種類のキットを用意

 Antigravity A1は機体の上下に撮影用カメラのレンズが付いていることから、どうしても下側のレンズが着陸時に地面に生えた草や突起物と接触し、傷つく可能性を否定できません。そのため、純正アクセサリーとして「レンズ交換キット」が用意され、ユーザー自身でレンズを交換できるようになっています。

 また、レンズが傷つくことを未然に防ぐために、純正のランディングパッド(離着陸のためのプレート)が用意されています。地面が凸凹であったり、草が生えているような場合にはこのランディングパッドを敷いて、ここで離着陸させることでレンズの傷つきを防げます。

 さらに、着陸時にはAntigravity A1がこのランディングパッドにプリントされているパターンを読み取って、正確にランディングパッドに着陸してくれます。

photo ランディングパッドを設置しておくことで、着陸が簡単になる

 なお、Antigravity A1のバッテリーは2種類があり、標準のフライトバッテリーでは最大約24分、大容量フライトバッテリーを使うと最大で39分の飛行が可能となっています。これらのバッテリーは機体とのセットの種類によって、付属しているものが変わりますが、アクセサリーとして購入することもできます。

photo バッテリーは機体後方から差し込む。容量の違いにより標準とロングライフの2種類のバッテリーが用意されている
photo バッテリーを最大3本取り付けて、1本ずつ充電できる充電ハブ。中央のディスプレイにはバッテリーの残量が表示される

 Antigravity A1はAntigravityの直販サイトや大手カメラ量販店などの店頭で購入できます。機体とVisionゴーグル、グリップ・モーション・コントローラーがセットで、充電ハブの有無や付属するバッテリーの数によって「標準版」「標準版+大容量フライトバッテリー」「エクスプローラーキット」「インフィニティキット」「アルティメットキット」という5種類のキットが用意されています。価格は20万9000円から26万3900円です。

 なかなか簡単に購入できる価格ではありませんが、日本国内ではさらに航空法など、乗り越えるべき障壁が多数あります。Antigravity A1を飛ばすために何が必要なのか、次回でご紹介します。

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photo 「標準版+大容量フライトバッテリー」以上のキットに付属するスリングバッグに機材一式を収めた状態。これ1つでAntigravity A1の飛行ができる
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