米Intelの日本法人であるインテル(当初はインテルジャパン)は1976年4月に設立され、2026年で50周年の節目を迎えることになる。
インテルの大野誠社長は「これまでの50年を振り返ると、Intelのプロセッサ事業のきっかけを作ったのは日本であり、ノートPCの登場や世界的なキャンペーンの発信地になるなど、日本がIntelの進化をリードする役割を担ってきた経緯がある。そのプライドを持ち続けたい」と強い意志をみせる。
2026年にインテルが掲げるキーワードは「矜持(きょうじ) 五十年」。この言葉には、大野社長の思いが込められている。インタビューの後編では、2026年の取り組みとインテルの今後の新たな方向性について聞いた。
―― 2024年6月に社長に就任して、約1年半が経過しました。社内の雰囲気はどうですか。
大野 前任の鈴木国正元社長からは、15歳の若返りになりましたから、その点でも、社内の雰囲気はずいぶん変化したのではないでしょうか。社員の世代とも近いので、社員と社長が同じ目線で話ができるシーンが増えたと思っています。
今は市場の変化が激しく、Intel本社の経営トップも変わりましたから、社員がモチベーションを上げて仕事ができる環境作りに力を注いでいます。社内イベントを開催する一方、2025年にはオフィスを移転し、新しい環境で仕事をはじめています。
旧オフィスも新オフィスも丸の内のメインストリートである丸の内仲通り沿いにあり、ちょうど南端の日比谷(国際ビルヂング)から、北端の大手町(永楽ビルディング)に移動してきた格好です。それでも、街の雰囲気はずいぶん違いますね(笑)。
2025年10月からは、週4日を出社する形にしています。結果として、社員のコミュニケーションがかなり活性化していることを感じます。私も毎日出社していますよ(笑)。
―― Intelの日本法人にとって、2026年はどんな1年になりそうですか。
大野 インテルは1976年4月の設立から、50周年の節目を迎えることになります。私は、その半分となる25年間在籍しており、その間、さまざまな変化を見てきました。特に日本がIntelの技術進化をリードする役割を担ってきた点は、私たちのプライドと言える部分です。
そもそも、Intelがプロセッサを開発して市場に投入するきっかけには、日本が深く関与していますし、PCの長い歴史を振り返ると、ノートPCは日本から誕生し、薄型ノートPCも日本から生まれ、そこで日本法人のインテルが果たした役割は重要なものでした。
さらに「インテル、入ってる(Intel Inside)」の世界的なキャンペーンも、日本で生まれたマーケティング戦略です。こういったこれまでの経験は、日本法人にとってのプライドの数々です。そこで2026年は50周年の節目に合わせて、「矜持(きょうじ) 五十年」をキーワードに掲げました。
これは、これまでの50年間の過去を語るという意味ではなく、私たちのプライドとして、次の50年につながることに挑戦しなくてはならないということを意味しています。
今年のビジネス、来年のビジネスをしっかりとやっていくことは当然ですが、その一方で、将来、必要になる要素技術に対して先行投資を行い、3年後や5年後に刈り取っていくということにも取り組みたいと思っています。研究開発を行って他社と差別化し、ビジネスを広げていくことがインテルのあるべき姿だと思っています。
―― 先行投資では、具体的にどのようなことに取り組みますか。
大野 現在、力を入れている領域の1つが半導体後工程の自動化を推進する「SATAS」(半導体後工程自動化・標準化技術研究組合)の取り組みです。日本政府の補助金を利用し、シャープの亀山工場を利用してパイロットラインの建設を開始しているところです。
SATASの理事長には、インテルの社長や会長を務めた鈴木国正さんが就いており、15社でスタートした組織は現在、33社にまで増加しています。
私は、日本における研究開発に改めて力を入れたいと考えています。SATAS以外にも、2026年にはインテルとして取り組む案件を複数発表したいと思っています。現時点では、インテルがこんなことをやるという話はできませんが、インテルだからこそできるというものもあります。50周年の節目をきっかけにインテルが何をするのか――。ぜひ楽しみにしていてください。
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