ガラケーの“命綱”から進化 なぜ今スマホストラップ人気が再燃しているのか(1/2 ページ)

» 2026年03月06日 15時00分 公開
[鈴木朋子ITmedia]

 かつて、私たちのガラケーには当たり前のように「ストラップ」が付いていました。若者が大きなマスコットやハイビスカスの飾りを幾重にも連ねる一方で、大人の男性はお土産の品を1点添えるなど、思い思いに端末を彩っていました。それは単なる装飾にとどまらず、不意の落下を防ぐための「命綱」としても機能し、実用面での利点も大きかったのです。

 しかしスマートフォンの普及に伴い、端末からストラップホールが消失したことで、それまでの習慣は影を潜めました。保護用のケースを装着するスタイルが一般的となり、たとえケース側にホールがあっても、ストラップを付けている人を見かける機会は激減しました。

 ところが近年、ケースの内側に挟み込む「ストラップホルダー」の登場によって人気が再燃。2022年の「ユーキャン新語・流行語大賞」でトップ10入りを果たした「スマホショルダー」の影響もあり、その需要は今なお高まりを見せています。

 そこで、今回はスマホストラップのこれまでの変遷と、トレンドの最前線にある「現在地」について、改めてひもといてみたいと思います。

photo ショルダーストラップならすぐにスマホを使える

スマホの進化によりストラップへのニーズも変化

 日本でiPhoneが初めて発売された2008年7月を境に、市場は徐々にスマートフォンへとシフトしていきました。それまでガラケーを無数のストラップやラインストーンでデコレーションしたり、光るアンテナに換装したりして楽しんでいた層にとって、当初のスマホは少し物足りない存在だったかもしれません。筆者が当時手にした「REGZA Phone IS04」には、国産機らしくストラップホールが備わっていましたが、それも過渡期の光景。やがて「スマホにはストラップを付けない」という文化が、静かに浸透していきました。

 関心の中心は「どのようなケースを装着するか」へと移り、一方で端末そのものの意匠を重んじてケースを付けない「裸族派」と呼ばれる人々も一定数存在しました。その割合は、現在よりも多かったように見受けられます。

 ストラップという観点で見れば、ここから長い「空白の時代」が続きます。代わって落下防止の主役となったのは、背面に取り付ける「バンカーリング」でした。スタンド機能も兼ね備えたこのアイテムは、スマホの新たな定番として広く支持されました。

 その後、スマホは劇的な進化を遂げ、その用途も拡大しました。メールやナビゲーションだけでなく、交通系ICアプリによる移動やバーコード決済による支払いが日常化し、もはや財布代わりの存在です。1日に何度も端末を手に取る必要がある現代において、バッグの奥にしまい込んでおくスタイルには不便さが伴うようになりました。

 さらにスマホの大型化も進んでいます。かつてはシャツの胸ポケットに収まっていたスマホも、今やジャケットやパンツのポケットを占領するほどのサイズと重量になりました。特に女性の服はポケットがない、あるいはあってもスマホを収めるには不十分な設計である場合が多く、携行方法が課題となっていました。

 こうした事情があり、いつでもサッとスマホを使える「スマホショルダー」が必然的に支持を集めることとなったのです。

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