ブームマイクなしで驚異のクリア通話を実現するJabra「Evolve3 85」を試す 仕事もプライベートもこれ1台(1/3 ページ)

» 2026年03月23日 15時00分 公開
[渡辺まりか,ITmedia]

 ハイブリッドワークの定着により、オフィスに限らず自宅やカフェ、屋外など、場所を問わずオンライン会議に参加するスタイルが一般化した。会議の録音や録画が容易になったことで、その音声を活用した生成AIによる議事録作成も、今や新たなスタンダードとして定着しつつある。

 しかし、周囲の騒音や第三者の話し声が混入すれば、通話相手に声が届きにくくなるだけでなく、AIによる議事録の精度も著しく低下する。かといって、常用するイヤフォンとは別に、会議専用のブームマイク付きヘッドセットを常に携行するのは、極めて煩わしい。

 そのような“音”にまつわる課題を解消し、作業効率を高め、オン・オフ問わず活躍してくれそうなのが、Jabraの「Evolve3 85」だ。実機を試用する機会を得たので、その使い勝手を紹介しよう。

Jabra Evolve3 85 「Jabra Evolve3 85」

AIが実現する圧倒的なノイズキャンセリングと音声分離

 Evolve3 85は、最新のデジタルチップセットとハイブリッド式アクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載した、オーバーイヤー型のビジネスヘッドセットだ。本来は法人向け製品だが、公式オンラインストアを通じて一般ユーザーも購入可能で、価格は7万1280円(税込)となっている。

オーバーイヤータイプのJabra Evolve3 85 遮音性と快適性に優れたオーバーイヤー型のボディー
パッケージ パッケージに含まれるもの。左から時計回りに専用キャリーケース、本体、ワイヤレス充電パッド(オプション品)、USB Type-Cケーブル、3.5mmジャックケーブル。なお、レビュー用評価機のため、実際は異なる場合がある

 主なスペックは以下の通りだ。

  • スピーカーサイズ:32mm
  • 最大入力:20mW
  • インピーダンス:35Ω
  • 周波数範囲:20Hz〜2万Hz
  • 帯域通話モード:100Hz〜14500Hz
  • 帯域音楽モード:20Hz〜2万Hz
  • マイクのタイプと数:デジタルMEMS/6基
  • マイク感度:-36dBFS/Pa(デジタル)
  • マイク周波数:10Hz〜2万Hz
  • 対応コーデック:AAC、LC3、SBC
  • その他:空間サウンド、アダプティブテクノロジーを搭載したJabra Advanced ANC、ヒアスルー、ディープラーニングテクノロジーを搭載したJabra ClearVoice対応
「Jabra Evolve3 75」 同時発表されたオンイヤー型の「Evolve3 75」。装着スタイル以外の基本仕様は85と共通だ

 左のイヤーカップには、電源オン/オフ/Bluetoothペアリング、ANC/ヒアスルー切り替えスイッチ、USB Type-C充電用ポート、3.5mmオーディオジャックがある。

左のイヤーカップ 左のイヤーカップ。左側から電源オン/オフ/Bluetoothペアリングスイッチ、ANC/ヒアスルー切り替えスイッチが見える

 右のイヤーカップにはマイクミュート/ミュート解除切り替え/音声アシスタント、音量アップ/次のトラックへ移動、通話と音楽コントロール、音量ダウン/前のトラックへ移動ボタンを搭載する。

右のイヤーカップ 右のイヤーカップにはコントロールの大半を搭載している。左からマイクミュート/ミュート解除切り替え/音声アシスタントボタン(長押し)、音量アップ/次のトラックへ移動ボタン、通話と音楽コントロールボタン、音量ダウン/前のトラックへ移動ボタン

 ヘッドバンドは、スムーズに長さを調整できる。

ヘッドバンドの長さ こちらは調整前のヘッドバンド
伸びる ヘッドバンドはここまで伸ばせるので、頭囲の大きい人でも安心だ

 電源は交換可能なリチウムイオンバッテリーで、USB Type-C充電の他、オプションのワイヤレス充電パッド(5500円)にも対応する。連続再生時間はANCオフで最長120時間と驚異的だ。フル充電には3時間を要するが、わずか10分間の急速充電で最大10時間の音楽再生が可能な点は、多忙なビジネスパーソンにとって心強い。

付属のUSB Type-Cケーブルで接続する USB Type-Cケーブルでの充電時
ワイヤレス充電パッド 購入時にオプションとして選べるワイヤレス充電パッドを使えば、使用後に載せておくだけなので手間がない

 接続はBluetooth 5.3に加え、3.5mm有線接続もサポートする。最大8台のペアリング記憶と2台の同時接続(マルチポイント)に対応し、デバイス間のスムーズな切り替えが可能だ。Androidユーザーなら「Fast Pair」により、初期設定も一瞬で完了する。

 BluetoothのプロファイルはA2DP v1.4、AVRCP v1.6、HSP v1.2、HFP v1.9、SPP v1.2に加え、次世代規格であるLE AudioのPBP V1.0およびTMAPまでサポートしている。対応OSもWindows、macOSから、最新のiOS 18やAndroid 15以降にも対応し、現行のビジネス環境に最適化されている。

 旧シリーズからの最大の変更点は、ブームマイクの撤廃だ。マイク数は10基から6基へと減少したが、6000万もの音声データで学習したAI技術「Jabra ClearVoice」がそれを補う。周囲の騒音からユーザーの声のみを精緻に分離・抽出するため、口元のマイクがなくとも極めてクリアな通話が可能になった。

前モデルとの比較 Jabra Evolve2 75(写真右)にはあるブームマイクがEvolve3 85(写真左)にはない。
マイクの位置 マイクの位置。左右のカップ前面に3基ずつ搭載している

 また、全体的に軽量かつスリムになったことも見逃せない。また、シルエットの美しさも特筆すべき点だ。旧世代のオンイヤー型「Evolve2 75」と比較してもその差は歴然だ。重量は約212.5gとわずかに増したが、その佇まいは洗練の極みにある。

前モデルとの比較 Jabra Evolve2 75(写真右)との比較。ブームマイク非搭載でややスリムになった

 ブームマイクがなくなったことで、“業務用然”とした雰囲気がほぼなくなった。さらにスリム化したおかげで、見ただけでは音楽再生用ヘッドフォンと変わりがない。これまで業務用とプライベート用2台持ちしていた人にとって、この1台で済むのはありがたいことだろう。

生成AI時代に求められる「高精度入力」

 オンラインミーティングでの議事録作成だけでなく、生成AI時代に求められる「高精度な音声入力デバイス」としても、Evolve3 85は機能する。本機は任意の生成AIアシスタントとシームレスに連携し、音声操作によるハンズフリーでの作業をサポートする。

 マイクの質が悪いと、AIがうまく聞き取れず、音声プロンプトを何度も入力し直す手間が生じがちだが、Evolve3 85では9割以上の単語を正確に認識するという。音声入力はキーボードを使った場合と比べ、約3倍のスピードで行えるので、業務効率を高められるだろう。

 では、実際に使ってみよう。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年11月06日 更新
  1. メーカー自身がバックドアを仕込み、犯罪集団に“販売” 乗っ取られたTV用端末130万台超、Googleが遮断 日本の警察庁も参加 (2026年11月05日)
  2. Windows PC向けゲームの「ロード待ち」はなぜ起こる? 背景に過去との「互換性」 (2026年11月05日)
  3. 画面は見やすく広告なし! 睡眠モニター機能はどう? Amazonの新型スマートクロック「Echo Time」の使い勝手と気になる点 (2026年11月06日)
  4. 月1200ドルのAIコストが電気代20ドルで済む? NVIDIA「RTX Spark」搭載PCのデモで見えた“ローカルAI”の実力 (2026年11月04日)
  5. 価格は約9万円に上昇、それでも“買い”か? DJIの360度カメラ「Osmo 360 II」を初代と比べて分かったこと (2026年11月05日)
  6. “コーヒー香る”PC&スマホスタンドがMOFTから登場 新「Coffee Collection」2製品の実用性をチェックした (2026年11月04日)
  7. ミュンヘン市はなぜ再びオープンソースソフトウェアへ回帰するのか? 脱Microsoftを巡る欧州の最新事情 (2026年11月04日)
  8. エレコム、“しろちゃん”の表情で充電状況が確認できる小型パネル内蔵Type-Cケーブル (2026年11月04日)
  9. 耳をふさがないEDIFIER「Comfo Bass Pro」は朝から夜まで充電不要 1万円強でLDACとDolby Audio対応、在宅勤務の“つけっぱなし”にピッタリ (2026年11月06日)
  10. アイネックス、デスクトップPCの電源操作を手元で行える有線リモコン (2026年11月05日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー