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バケツ水攻めに極寒、粉じん ──タフブック30周年の新モデルが示す「現場を止めない」実力を新人記者が目撃した

» 2026年04月16日 11時20分 公開
[梅林日奈子ITmedia]

 「PCを選ぶときは、スペックとデザインだけを見ておけばいい」──つい最近まで異業種で働いていた新人記者の私は、PCなんて古いか新しいかだけの違いで、どの機種を購入しても、大した違いはないだろうと思っていた。

 そんな思い込みを抱えたまま、4月14日に開催されたパナソニック コネクトグループの新製品発表会を取材した私は、初めて“堅牢(けんろう)PC”という市場の存在を目の当たりにすることになる。

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「えっ……」バケツで水をぶっかけられるPCを目撃

 同社が発表したのは、頑丈ノートPC「TOUGHBOOK」(タフブック)シリーズの新モデル「FZ-56」と「FZ-40」の2機種だ。どちらも耐久性に優れつつ、用途に応じたすみ分けがなされている。オフィスワークとの併用も視野に入れたFZ-56に対して、FZ-40は警察や消防といった、特に過酷な現場を想定して設計されている。

photo 頑丈ノートPC「TOUGHBOOK」(タフブック)シリーズの新モデル「FZ-56」(左)と「FZ-40」 (右)

 全体を通して最も衝撃的だったのは、発表会直後に行われた実演デモだ。私はそこで初めて、バケツの水を浴びせられるPCを目撃した。

水攻めされる頑丈ノートPC「TOUGHBOOK」(タフブック)  

 「PCに水なんてかけたら一発で壊れるのでは……」と思うところだが、今回の新製品をはじめ、タフブックシリーズは噴流水に耐えられる構造になっているため、例え豪雨の中でも問題なく作業ができるという。

 一方で、先輩記者によると海水対応はニーズが少なく、今回の新モデルも特にサポートは予定していないとのこと。船上で使いたいという人もいるかもしれないが、残念ながら引き続き別の対策が必要になりそうだ。

−10度の氷点下でも駆動する耐久性

 会場では、−10度を下回る環境での動作デモも行われていた。私はそもそも、あまりにも寒いとPCが動かなくなるという事実を今まで知らなかった。それでも「南極や北極など極端な寒冷地に行かなければ、あまり関係ない話だろう」と思っていたが、案外そうではないらしい。

photo -10度の冷却環境下でも、安定したパフォーマンスを維持する

 多くのメーカーで保証されている一般的なPCの動作保証温度は5度から35度で、周囲の気温が5度を下回ると、いつ動かなくなってもおかしくないラインだそうだ。

 バッテリーにリチウムイオンを採用するPCなどは特に、利用環境の温度が0度を下回ると内部抵抗が増大し、放電容量が大幅に減少することが電池工業会(BAJ)の資料にも示されている。

 −10度とまではいかなくとも、寒冷地での現場作業を必要とする、例えば北海道の冬の除雪現場などでは、寒さの下でも作業が止まらないタフブックの存在は重宝されるようだ。

粉じん舞う工事、火災現場でも止まらない

 水攻めに極寒と来て、次にタフブックを襲ったのは、ほこりだ。ファンにほこりが詰まっただけで不穏な音を立て始めるビジネスPCを使ってきた私からしてみれば、キーボード上に粉じんが降り積もるなんて鳥肌もの。

 会場では、小麦粉のような細かい粒子を大量に吹きかけられても正常に動作を続けており、タフブックの機密性と防じん性能を証明していた。

photo 粉じんが舞う過酷な工事現場を想定した防じんテスト

「普通のビジネスPCで十分」という現場 その壁をどう乗り越えるか

 初めての取材現場で、頑丈さを売りにしたPCの存在を初めて知った私は、その技術以上に、「現場を止めたくない」という作り手による消費者第一の姿勢に胸が熱くなった。

 その一方で、日本の現場には特有の課題も根強いという。過酷な環境であっても、通常のビジネスPCがそのまま利用されることも少なくない。2026年で誕生30周年を迎え、“堅牢ノートPC市場”で24年連続世界シェアNo.1だというタフブックは今後、大きな支持を集めている米国などの海外市場だけではなく、現場におけるビジネスPCの普及率が高い日本市場での拡大も狙っているという。

 コストの面でスマートフォンやタブレット、安価なビジネスPCで済ませる現場が多い中で、あえて高価な頑丈なPCを導入する価値はどこにあるのか。その点について明確なメリットを示すことが、タフブックのさらなる市場拡大には必要不可欠となるだろう。

 そして頑丈なPCが不可欠な現場も確実に存在する。タブレットでは処理できない高度なソフトの使用や、絶対にデータが飛んではいけない重要インフラ工事などがその例だ。こうした環境に身を置く人々に対し、タフブックという選択肢やメリットをうまく提示し、確実に導入への一歩を後押しすることが重要だと感じた。

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