ここからは実機パフォーマンスを検証していく。なお、計測にあたってはMyASUSの設定を「パフォーマンスモード」に変更し、最大限の能力を発揮できる状態で実施した。
CINEBENCH(2024および2026)は、ネイティブ動作するArm版を使用して計測した。CINEBENCH 2024のスコアは、マルチコアで1673pts、シングルコアで151ptsを記録した。
これはx64環境のRyzen 7/9やCore i7/i9グレードに匹敵する、極めて優秀な数値だ。また、CINEBENCH 2026においてもマルチスレッドで6917pts、シングルスレッドで625ptsをマークした。なお、同テストにおいてSingle Core(1コア限定)の項目は実行不可であった。
3DMarkのスコアは以下の通り。1万ポイントを超える項目は限られるものの、Fire Strike(DirectX 11)やSolar Bay(Vulkan)では堅調なスコアを維持している。これにより、一般的なタイトルであればフルHD環境下で60fpsを維持できるポテンシャルを秘めているといえる。
補足として、Solar BayシリーズはVulkan対応テストだが、環境によりDirectX 12で実行される場合がある。今回はXML形式のログファイルを確認し、タグ名が「SolarBayVulkanExtreme3DMarkScore」であることをもってVulkan動作であることを確認した。比較対象として、Core Ultra X7 358H搭載の「Acer Swift 16 AI」やRyzen AI Max+ 395搭載の「OneXFly APEX」はいずれもDirectX 12で動作しており、プラットフォームによるAPIの選択挙動の違いが示唆されている。
AI性能を測定する「UL Procyon AI Computer Vision 2.0」では、NPU使用時に2192ポイント、GPU使用時に2113ポイントという好成績を収めた。これは外付けGPU非搭載機としてはトップクラスの数値であり、Snapdragon X2 EliteがうたうローカルAI処理能力の高さを如実に裏付けている。
ただし、AI Image Generation BenchmarkとAI Text Generation Benchmarkについては「This test has not been designed to work Arm-based devices.」「Snapdragon X2 Elite is not yet supported」といった警告があり、実行ボタンも表示されなかった。後者は「not yet」とあるので、今後のアップデートによる対応に期待したい。
PCMark 10に関しても、StandardおよびExtendedの両テストは現時点で非対応だが、実アプリケーションを用いる「Applications」テストは実行可能であった。Microsoft Officeなどの主要アプリを用いた検証では、本機がOffice搭載モデルを展開していることからも分かる通り、極めてスムーズに動作する。オフィスワークにおける実用性は十分に確保されており、ベンチマークの非対応はあくまで計測上の制約にすぎない。
続いて、ゲームベースのベンチマーク検証を行う。対象としたのは「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」「サイバーパンク2077」「レインボーシックス シージ」の3タイトルだ。
Snapdragon X2 Eliteは「90%のゲームタイトルに対応」を掲げているが、今回の検証でも主要タイトルが問題なく動作することを確認できた。
ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー ベンチマークでは、1920×1080ピクセルの場合で最高品質は6752ポイント、「やや快適」評価、49.86fpsといった結果だった。60fpsを下回るシーンもあるが、プレイ自体は可能な印象だ。60fps超を得るなら、高品質(ノートPC)で73.85fpsへ、標準品質(ノートPC)なら81fpsへと向上する。
統合GPUとしては健闘している部類だが、競合の動向も無視できない。直近で投入されたAMDの「Ryzen AI Max+」やIntelの「Core Ultra シリーズ3(Xモデル)」といった統合GPU強化型と比較すると、Ryzen AI Max+には大きな差をつけられ、Core Ultra シリーズ3に対してはわずかに及ばないといった立ち位置になる。
高負荷で知られるサイバーパンク2077(1920×1200ピクセル)では、画質「低」設定で58.33fpsを記録した。ここでフレーム生成(FSR 3.1 FG)を有効にすると、平均86.82fps、最小73.52fpsへと大幅にパフォーマンスが向上する。この余力を生かせば、「中」設定でも平均72.57fps(最小61.89fps)を維持でき、常時60fpsを上回る快適なゲーム体験が現実のものとなる。
レインボーシックス シージでは、1920×1200ピクセルの画質「低」設定において、平均120fps(最小93fps)をマークした。本機が備える120Hz駆動パネルのポテンシャルを存分に引き出せるだけの、安定したフレームレートを確保している。
最後にバッテリー駆動時間を検証する。PCMark 10の「Modern Office」テストは動作環境の関係で非対応であったため、今回は「Video(動画再生)」テストの結果を指標とした。輝度最大かつ「スタンダードモード」という高負荷な設定においても、15時間31分という驚異的な駆動時間を記録した。ノートPCにおいて消費電力の大きいディスプレイをフル輝度で使用しての結果であり、輝度調整や省電力設定を併用すれば、さらなる長時間駆動も確実だ。
Zenbook SORA 16のデザインは極めて軽快だ。スリムかつ軽量なボディーは携帯性に優れ、ワンサイズ大きな16型画面はモバイルワークの効率を劇的に高めてくれる。都市部のコンパクトなカフェテーブルでは持て余す場面もあるかもしれないが、ゆとりのある環境であれば、この大画面の恩恵を最大限に享受できるはずだ。
パフォーマンスとバッテリー性能の両立も極めて高水準だ。Arm版Snapdragon X2 Eliteの採用は、もはや制約ではなく強力な武器となっている。
CINEBENCHが示す処理能力は一級品であり、NPU性能においても現世代のライバルをしのぐ。懸念されるx64アプリの互換性も、Prismの進化により実用上の支障を感じる場面はほぼ皆無だ。
ベンチマークの一部非対応は、あくまで測定上の厳密さを期すためのものであり、実動作とは切り離して考えるべきだろう。ただし、最新ツールやライブラリのArm対応がx64に比して一歩遅れる傾向は否定できない。最新技術を即座に導入したいクリエイター層などは、この点にのみ注意が必要だ。
価格面については、相応の投資が必要となる。ハイエンドのSnapdragon X2 Eliteに加え、極上の有機ELパネル、さらには高騰中のメモリを48GBも惜しみなく投入しているためだ。
執筆時点での実勢価格は33万9800円(Office付きは36万9800円)だが、同等のメモリ構成を持つ競合機も軒並み30万円台であるため、本機が突出して高価というわけではない。他のハイエンド機と比較検討する際、16型という画面サイズ、48GBの潤沢なメモリ、そしてSnapdragon X2 Eliteがもたらす圧倒的な電力効率と静粛性に価値を見いだせるなら、本機は間違いなく最良の選択肢の一つとなるだろう。
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