外部からインターネットを介して企業のネットワークに接続する際に、よく使われているのが「VPN」という仕組みだ。VPNは「Virtual Private Network」の略で、日本語では「仮想プライベートネットワーク」あるいは「仮想専用線」と訳される。要するに、物理的な専用通信回線を用意することなく、企業内ネットワークにアクセスできる仕組みだ。
このVPNだが、最近は外出先でのプライバシーやセキュリティを確保する観点、あるいはさらに“別の理由”(後述)から個人も利用できるVPNサービスというものも登場している。それには幾つか選択肢があるが、中でも動画配信サイトやSNSで広告をよく見かけるのが「NordVPN」である。
ある日、NordVPNの国内広報を担当する企業から「NordVPNの担当者に話を聞いてみませんか?」との誘いが来た。運営会社であるNord Securityの取締役で、サイバーセキュリティに造詣が深いジェラルド・カスリスさんが来日するので、その機会にインタビューしてみないか――とのことである。
せっかくの機会なので、カスリスさんからNordVPNについて、そしてVPNを含めたネットワーク/サイバーセキュリティの現状について、話を聞いてみることにしよう。
その名の通り、NordVPNは純粋なVPNサービスとして2012年に誕生した。Nord Securityの共同創業者であるトム・オクマンさんとエイマンタス・サバリアウスカスさんが「インターネットを、より安全な場所な場所にしたい」という思いから、2010年くらいから約2年がかりで構築したという。
現在のNordVPNは、日本の東京/大阪を含む世界224カ所に数千台のVPNサーバを設置しており、幅広い国/地域において“安全な”インターネット接続環境を提供している。個人向けの利用プランは3種類で、全プランでVPN接続の他「詐欺・フィッシング対策」と「ダークウェブモニタリング」を利用できる。
詐欺・フィッシング対策は、VPNサーバに併設しているDNSサーバ(※1)で監視する仕組みを取っており、悪意のある広告やURLへのアクセスを未然に防いでくれる。ダークウェブモニタリングは、事前に指定したメールアドレス(最大5件)について、いわゆる「ダークウェブ」上に情報が流出していないか24時間/365日体制で監視し、漏えいが確認できたら即時通知してくれる。
単なるVPNアプリとしてだけではなく、セキュリティソリューションとしても利用できるようになっているのが特徴だ。
(※1)インターネットのURL(Uniform Resource Locator)をIPアドレスに変換するためのサーバ
筆者としては、NordVPNというと「個人のインフルエンサーがスポンサードで宣伝している」というイメージが強い。例えば、海外によく渡航するYouTuberが、自身の動画の中でNordVPNの紹介コーナーを挟むといった具合だ。PCやスマホといったガジェット類に詳しい人ではなく、むしろガジェットから“縁遠い”人が多いように思える。
カスリスさんによると、これはインフルエンサーを通してガジェットやセキュリティに“詳しくない”人に、セキュリティの重要さを伝える戦略で、内容に関する指示は特にしていないという。インフルエンサーにはNordVPNを自由に使ってもらい、その利点をそれぞれの言葉で伝えてもらう――グローバル(全世界)共通で進めている。動画の比率が高いのも、NordVPNのメリットは動画の方が伝えやすいという考えに基づいているそうだ。
なお、Nord Securityでは日本を含む一部の国/地域ではTVCMも放映している他、日本ではリアルイベントも開催している(参考リンク)。今後は、インフルエンサーマーケティングに加えて地域の特性に合わせた認知拡大戦略も進めるとのことだ。
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