手首の負担を減らす“逆チルト”が秀逸! Razer初の多機能エルゴキーボード「Pro Type Ergo」はオフィスの救世主に(2/4 ページ)

» 2026年06月26日 12時00分 公開
[瓜生聖,ITmedia]
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手首にやさしいスプリット型エルゴデザイン

 Razer Pro Type Ergoのキー配列はちょうどハの字に開いている。左の英字段は右下がりに、右の英字段は左下がりと、それぞれ末広がりに配置され、垂直方向には中央が盛り上がる波形を描く。

 両手を肩幅でキーボードに置いたときに、手首が自然に外側へ開く角度がそのまま配列に投影されている。スプリットエルゴ系のキーボード自体は1970年代のMaltron、1990年代のTRON TK1などまでさかのぼることができるが、本機のスタイルは1994年のMicrosoft Natural Keyboard以降、1つのスタンダードとなったスタイルでもある。

photo 本体の奥側
photo 本体の手前側。薄型のボディーだが、フルキーボード部がなだらかに隆起している

 興味深いのは、前後4カ所に備えられたチルトスタンドだ。前後それぞれに4度/7度のスタンドが配置され、計4種類の傾斜を選べる。

 通常のキーボードでは指の移動距離を抑えるために後方を持ち上げることが一般的だが、本機の場合、手首の角度を自然にすることを主目的とした逆チルトが可能だ。ここに至ってようやく、巨大なリストレストが取り外しできない理由が理解できた。

 上から見ると取り外せそうに見えるリストレストだが、本機を裏返してみると本体と完全に一体の樹脂ボディーとして成型されている。逆チルトを実現するためにはリストレスト側を持ち上げる必要があり、安定性のためには本体と剛性ある一体構造が有利ということだ。

photo 4度のスタンドを立てたところ
photo 7度のスタンドを立てたところ 

 逆チルトは机上で手首が背屈する角度が抑えられるので、腱鞘(けんしょう)炎が気になるユーザーの助けになるだろう。もっとも、机の高さが合わないと今度は肘への負担が大きくなる。指/手首/肘含めて快適なセッティングを追求するためには、通常のキーボード以上に机/椅子の高さを意識する必要がありそうだ。

photo スタンドを閉じた状態。2段階傾斜が可能なスタンドが4カ所に配置されている
photo 奥側のスタンドを4度まで立てたところ
photo 奥側のスタンドを7度まで立てたところ
photo 手前側のスタンドを4度まで立てたところ。前後のスタンドによって逆傾斜も可能だ。手前を高くすると腱鞘(けんしょう)炎防止に役立つ
photo 手前側のスタンドを7度まで立てたところ
photo 全てのスタンドを7度まで立てたところ
photo 全てのスタンドを4度まで立てたところ
photo 奥側のスタンドを4度、手前側のスタンドを7度まで立てたところ
photo 奥側のスタンドを7度、手前側のスタンドを4度まで立てたところ
photo 裏面を見ると完全にリストレストと一体化していることが分かる
photo リストレストを取り付けた状態の左側面
photo リストレストを取り付けた状態の右側面。リストレストが全体の40%程度を占める。取り外しはできない
photo リストレストはレザーレット製で、Razerのロゴが刻印されている

 リストレストの表面はレザーレット(人工皮革)仕上げで、シボ加工が施されている。そこにRazerのトリプルヘッドスネークがエンボス加工で控えめに配されており、実用品としての落ち着きがある。手首に当たる感触は柔らかく、長時間のタイピングでも痛みを感じにくい。

 本機はフルキー部に加え、矢印キー、2列の機能キーを挟んでテンキーまで含むフルキーレイアウトだ。しかし、テント状に盛り上がる部分はフルキー部までであり、機能キー、テンキー部はフラットになっている。

 個人的にはここの違和感がなかなか拭えなかった。例えば、Microsoft Natural Keyboardでは機能キーとテンキーは別扱いのようなレイアウトで、ある意味、エルゴノミクスキーボードと通常キーボードを融合させたような作りになっている。

photo 「Microsoft Natural Keyboard」のレイアウト。機能キーとテンキーはフルキー部と異なる角度で配置されている

 だが、本機の場合はエルゴノミクスデザインのフルキーとフラットデザインの機能キー/テンキーまで含めて滑らかに連続している。特に機能キーとフルキー間の隙間が非常に狭く、双方がつながって見え、BackSpaceやEnterが埋もれてしまっているような印象を与える。筆者は以前から、65%キーボードのようにEnterキーの右側にもう1列あるレイアウトになじめないのだが、今回もその違和感に悩まされた。

 なお、当初「思ったよりも中央寄りな感覚だな」と思ったのだが、改めて確認してみると、ホームポジションを通常のFキーとJキーではなく、誤って1つ中央寄りのGキーとHキーに置いていたことに気が付いた。通常のキーボードであればFGHJと並ぶキーで間を置いてF、Jに人差し指を置くポジションは自然だが、本機の場合はG、Hの間に分離帯があり、横並びのキーであっても十分過ぎるほどのスペースができてしまう。しっくりこないと感じる場合は、手の配置(ホームポジション)を見直してみるとよいだろう。

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