先述の通り、Arm版Windows 11にはPrismというx86/x64エミュレーション機能が備わっているので、多くのアプリは快適に動作する。また日本マイクロソフトでも国内開発者に対してArmネイティブアプリの開発支援を行っており、日本市場固有のアプリでもネイティブアプリは増加傾向にある。
筆者の仕事を踏まえると、ジャストシステムの「ATOK Passport」がArmネイティブ対応したことは、ArmアーキテクチャのWindows PCの実用性を飛躍的に高めてくれた。
ATOK Passportの対応により、FMV UQ-L1を“仕事で”使う上での問題はなくなった(執筆/編集した原稿の掲載作業を除けば)。
ご覧の通り、Armネイティブアプリの「メモ帳」でATOKを使えている。仕事上欠かすことのできない「共同通信社 記者ハンドブック辞書 第14版 for ATOK」もしっかりと機能しており、注意が必要な用字「筐体(きょうたい)」をしっかりと指摘してくれている仕事で使う上ではほぼ困らなくなったFMV UQ-L1だが、プライベートで使う場合は1つ、非常に困ることがある。HDDレコーダーに録画したTV番組を見ることができないことだ。
ネットワークを介してHDDレコーダーやTVチューナーにアクセスし、テレビ番組を視聴/再生する場合は「DTCP-IP」という著作権保護技術に対応する動画再生アプリが必要となる。Windows PC向けのアプリとしては、ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズの「PC TV Plus」と、デジオンの「DiXiM Play」が有名どころである。
これらのアプリは、著作権保護の処理においてCPUだけでなくGPUにも依存しているため、ArmアーキテクチャのWindows PCでは一切動作しない。厳密にいうと、両アプリ共にインストール自体は可能で、アプリも起動できるのだが、レコーダー/チューナーのコンテンツを再生しようとすると著作権保護エラーで起動できない。
約2年前にArmアーキテクチャの「Surface Pro(第11世代)」をレビューした時と、この状況に変わりはない。ATOKの問題が解消した今、MicrosoftとQualcomm、そしてQualcomm製SoCを搭載するPCを販売するメーカーは、ぜひ「録画したTV番組が見られない問題」「TVチューナーを使ったリアルタイム視聴ができない問題」をどうにかして解消するように、アプリ開発者に働きかけをしてほしいところである。
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