Appleが9月9日(米国時間)に開催したスペシャルイベントで、初の折りたたみiPhone「iPhone Duo」が発表された。
日本時間で9月10日に行われた「Apple Special Event」。目玉は何といっても「iPhone Duo」だ。発表前から予想記事などで盛り上がっていたが、参加していた世界中の多くのジャーナリストは、実際の製品は期待を大きく上回っていたと話していた発表前から最大の注目製品だっただけに、イベント終了後も話題の中心はDuoだ。実際に触ってみても、その完成度は高い。開閉に合わせたアニメーションから、マグネットに吸い寄せられ、最後に「カチッ」と閉じる感触まで、いかにもAppleらしく細部まで作り込まれている。
Appleは、業界一番乗りを目指す技術主導のメーカーではない。新しい技術を、技術に詳しくない人でも不満なく、むしろ喜びを持って使える体験に仕上げてから世に出すブランド企業だ。
新たに発表された「iPhone Duo」(とApple Watch Series 12)。Apple Watchのストラップと比べると、本体がどれだけ薄いかが分かるだろう。本体を半開きにして立てておくと充電しなくても自動的にカレンダー、時計、フォトスタンドなどのスタンバイ機能が起動する。極めて魅力的な製品だけに、円安を受けた日本での値付けが残念でならない初代iPodは、世界初のデジタル音楽プレーヤーではなかった。その何年も前から他社製品は存在していた。初代iPhoneも、世界初のスマートフォンではない。今回のiPhone Duoも同じだ。折りたたみスマートフォンは2018年には既に登場しており、Appleの参入はかなり遅い。
しかし、それは技術力がないからではない。Appleが製品化に別の基準を設けているからだ。
技術に詳しくない人でも迷わず使え、製品として十分な品質と楽しさを提供できる。そこまで到達して初めて製品化する。この基準は初代iPodや初代iPhoneにも共通していた。
初代iPodの登場後、多くのデジタル音楽プレーヤーが「iPodのような製品」になり、初代iPhone以降、多くのスマートフォンが「iPhoneのような製品」になった。
同じことがiPhone Duoでも起きるのではないか。一般向け折りたたみスマートフォンの新しい原型になる可能性は高いと筆者は考えている。
しかし、「256GBモデルで36万4800円もする製品が原型になるだろうか」と思う人もいるだろう。ここで知っておきたいのが米国価格だ。
iPhone Duoの256GBモデルは1999ドル。サイズ的に近いSamsungの「Galaxy Z Fold8」の256GBモデルは1899.99ドルと、その差は約100ドル、日本円にして約1万5000円である。
ところが日本では、iPhone Duoが36万4800円、Galaxy Z Fold8が26万9880円からとなり、差額は9万4920円まで広がる。この違いは製品そのものの価値というより、価格設定時の為替などの影響が大きい。
iPhone Duoの予約開始は10月16日、発売は10月23日だ。価格は製品の印象を大きく左右する部分だけに、それまで円高基調が続くのであれば、Appleには勇気を持って日本価格を見直してほしいところではある。
この記事では、iPhone Duoを「Galaxy Z Fold8より9万5000円高い製品」ではなく、「100ドル高い製品」という視点で評価してみたい。
ただ、その前に触れておきたいことがある。
今回の発表には、iPhone Duo以外にも今後のAppleを考える上で重要な変化がいくつもあったからだ。
iPhone Duoだけじゃない! 折りたたみの陰に隠れたApple新製品の「本当のすごさ」
まるで“狂気の沙汰”──ジョブズ時代のAppleを感じさせる「iPhone Duo」のヒンジと製造工程
「Apple Watch Series 12/Ultra 4」登場 AIサウンド認識、ヘルスケア機能を強化 セラミックも復活
AppleのAIエージェント「Siri AI」、日本語β版は10月から提供予定
「macOS 27 Golden Gate」は9月15日リリース Apple SiliconのMacに対応Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.