富士通の展示は複数に分かれて展開していたのだが、中でも自社単独ブースは「ゴジラ」を前面に押し出していた……のだが、これはあくまで“前振り”であり、主題は災害時の避難誘導を迅速に行うための「デジタルリハーサル体験」だ。
「デジタルリハーサル」とは、街並みを正確に再現するだけでなく、人々の動きを読み込み、正確に予測することで、災害時に人流がどのようになるのか、対策をすることで、それがどのように変わるのかを、何度でも仮想空間でリハーサル(検証)できる仕組みのことだ。
今回は、富士通の本店(登記上の本拠地)がある神奈川県川崎市において「県外から多数の人が集まるフェスの開催中に、上陸したゴジラが会場に向かってきている」というシナリオで、「ゴジラの到着予定時刻(60分後)までに、全員を避難させられるか」というシミュレーションを行った。
あらかじめ用意されていた「デジタルリハーサル」では、60分以内に会場の近隣に居住する「川崎エリアの住民」は時間内に避難できた一方で、「他地域からの来場者」の避難に75分を要して到達想定時刻に間に合わない、という結果になった。
なぜこうなったのか――理由を解析した上で、「DJポリス(言葉巧みに誘導を行う警察官)」「デジタルサイネージ」「多言語通訳スタッフ」などを配置することで、全員を無事に避難させるというのが、今回の体験の目指すところである。
デモエリアでは、ゴジラの登場により激しい揺れを感じることができ、臨場感たっぷりだ。参加者の中から選ばれた1人が、予算(シミュレーションではポイント制)的に可能な範囲内で対策を立てて、問題ないと判断した時点で実行する。
人流がどのようになったかの映像が流れた後、検証結果が表示された。筆者が取材した回では、一発で全員を無事に避難させることができた。
デモでは「ゴジラ」というエンターテインメント性のある「災害」で検証していたが、過去のデータからある程度の予測が成り立つ台風や豪雨といった自然災害でも、同様の検証を行えるだろう。しかも、“本当の”災害が起きる前に、デジタルなので何度でもリハーサルを行える。
家ごと、学校ごと、ビルごとに行っていたような「避難訓練」を、行政ごとにデジタル上で行えるようになるのだ。
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