Androidの組み込み向け拡張プラットフォーム発表

» 2009年08月12日 15時51分 公開
[八木沢篤,@IT MONOist]


 Open Embedded Software Foundation(以下、OESF)は2009年8月11日、Androidをベースとした、情報家電やセットトップボックス、ビジネスフォン、車載機器、医療機器などの組み込みシステム向けの拡張プラットフォーム「OESF Embedded Master(以下、EM)」のロードマップを発表した。

 2009年3月の発足以来、OESFの各ワーキンググループで検討されてきた成果を集約し、組み込みシステム共通のコンポーネントなどを追加。携帯電話以外の組み込みシステム向けのAndroidディストリビューションとして提供される。

 2009年11月に最初のバージョンとなる「OESF Embedded Master 1/開発コード:Blueberry Cupcake(以下、EM1)」をOESF会員企業向けにリリース。一般向けの公開は、2010年2月を予定しているとのこと。EM1のAndroidベースバージョンはAndroid 1.5を予定。開発したソフトウェアは原則としてApache License 2.0に従い、無償のオープンソースとしてインターネット上で公開されるという。

photo OESF Embedded Masterイメージ(※出典:プレスリリース)

 さらに、2010年夏までにAndroid 2.0へのベースアップと、さらなる機能拡張を行った「OESF Embedded Master 2(以下、EM2)」(注)をリリースする計画だという。

注:2009年7月29日に開催されたウェルビーンとISB共催のセミナー「Androidが変える組込み開発、Androidがもたらす未来とは」において、OESF代表理事 三浦 雅孝氏はEM2のコードネームを「Cinnamon Donuts」と発表していた。


photo OESF Embedded Masterのマイルストーン(※出典:「Androidが変える組込み開発、Androidがもたらす未来とは」での三浦氏のスライド)

 EMに搭載予定の機能とその概要を以下に示す。

・IP Phone Extension
ビジネスフォンやスマートフォンなど、Android上でIP電話(音声/ビデオ通話)を可能にするためのアプリケーション向けAPI、およびSIP/RTPスタック、NGNスタック、それらの周辺環境を提供

・Digital TV Extension
セットトップボックスやデジタルテレビなどのAndroid搭載機器でデジタルテレビ放送を視聴するためのフレームワーク、およびアプリケーション向けAPIを提供。これにより、Android搭載機器でのデジタル放送・ケーブルテレビの視聴、BMLブラウザによる情報表示、EPGによる番組予約などが可能

・Multimedia Extension
Androidを搭載した情報家電で、テレビなどの大画面上にハイビジョンクラスの静止画・動画コンテンツを再生可能とするためのマルチメディアフレームワークの拡張

・DLNA Extention
Android向けのDLNA/UPnPスタック、およびこれらを使用するためのアプリケーション向けAPIを提供。これにより、既存のDLNA対応機器とAndroid搭載機器間を接続し、映像や音楽を共有するホームネットワークの構築が可能

・Bluetooth Extension
Androidで標準サポートされていないBluetoothプロファイルの拡張。具体的にはワイヤレス操作を可能とするHIDプロファイル、ヘルスケア機器やゲーム機などとの通信に使用するSPPプロファイル、携帯電話などとのファイル交換を行うためのOBEX機能への対応を予定

・Remote Control Extension
Android搭載機器をBluetoothや赤外線対応のリモコンで操作するためのフレームワークを提供。情報家電やセットトップボックスなど、キーパッドやタッチパネルを持たないデバイスでの使用を想定

・Pointing Device Extension
マウスやポインタカーソルなど、キーパッドやタッチパネルを持たないAndroid搭載機器でのポインティングデバイス機能搭載のためのフレームワークを提供

・Network Manager Extension
企業内LANなどでAndroid搭載機器を使用する際の有線LAN対応、固定IPアドレス・ファイアウォールなどのネットワーク設定のためのAPIを提供

・User Interface Extension
情報家電やセットトップボックス、ビジネスフォンなどモバイル機器以外のAndroid搭載機器向けにユーザーインタフェースを拡張。例えば、テレビなどの大画面で操作するためのランチャーアプリケーションやホームスクリーンなど。また、それらのGUIを開発するためのアプリケーション向けAPIの提供

・SDK for Embedded Devices
EMを使用してアプリケーション開発を行うための開発者向けSDKを提供


 各機能の詳細、およびEM1/EM2での対応機能、リリーススケジュールなどの詳細については現在検討中で、変更の可能性もあるとのこと。EM1の詳細については、2009年11月18から20日の3日間、パシフィコ横浜で開催される「組込み総合技術展 Embedded Technology 2009」で発表される予定だ。なお、同展示会においてEM1に準拠した製品プロトタイプのデモ展示も予定されているとのこと。

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