「使ってもらえる」UIが生産性を向上する――iPhone法人利用のメリットとは(前編)(1/2 ページ)

» 2009年10月27日 15時53分 公開
[日高彰,ITmedia]

 ソフトバンクの孫正義社長は7月に開催した2010年3月期第1四半期の決算発表会で、福岡ソフトバンクホークスの選手がトレーニングのためにiPhoneを活用していることを紹介するなど、iPhoneの法人利用が拡大していることをアピールした。

 実際に、5月には青山学院大学社会情報学部、8月にはAIGエジソン生命保険がiPhoneの大規模導入をそれぞれ発表するなど、ビジネスや教育の現場におけるiPhoneの利用が話題になる機会が増しつつある。

 一般的には、音楽やゲームなどが楽しめるエンターテインメント端末として見られることが多いiPhoneだが、果たしてそれ以外の真面目なシーンで――平たく言えば「仕事で」――本当に役立つアイテムと言えるのだろうか。法人導入されたiPhoneはどのように使われ、企業にとって魅力的なポイントはどこなのか、ソフトバンクモバイルの法人事業推進本部の杉田弘明氏、法人プロダクトサービス統括部の中野晴義氏に聞いた。

Photo ソフトバンクモバイル 法人事業推進本部の杉田弘明氏(左)と同法人プロダクトサービス統括部の中野晴義氏(右)

「出先でメールが見られる」ことが持つ意味

 突然だがここで、業務でありがちなあるシーンを想像してほしい。外回り中の社員Aが、取引先から携帯電話にかかってきた電話に対応している。

取引先:「例の書類メールで送っといたので、今日中に確認してもらえますか」

社員A:「承知しました。社に戻ったら拝見しますので、夕方6時くらいまでにはお返事できるかと思います(今日は直帰の予定だったんだけどなぁ……)」

 同じく外出中の社員Bは、会社にいる同僚に電話をかけている。

社員B:「○○社の△△さんから見積のメール来てるはずなんで、ちょっと俺の席に回ってPC見てくれないか。パスワードは、えーと……」

 あらゆる企業において電子メールでの連絡が当たり前となった今、このようなやりとりが行われることも少なくないだろう。しかし、メール1通を確認するためにわざわざ出先から会社まで戻ることや、同僚の仕事を邪魔するのはいかにも効率が悪い。また、社員Bのケースでは、同僚とはいえ他人にPCのログインパスワードを伝えており、セキュリティの面でも問題がある。

 業種や規模を問わず、多くの企業にとって最も分かりやすいiPhoneの導入メリットは、外出先でも会社のメールを確認できるため、先述したようなメールにまつわるムダな時間を削減できるという点が挙げられるだろう。

 iPhoneのメール機能はPOP/IMAPに対応しているため、会社に届いたメールをどこからでも直接チェックできる。会社のメールサーバがマイクロソフトのExchange Serverで構築されていれば、いわゆる携帯メールと同じようなプッシュ配信も可能だ。最近は社外からのメールサーバへのアクセスを制限している企業も多いが、iPhoneならSSLを使用したアクセスも可能なほか、メジャーなVPNのプロトコルにも対応しているので、会社側が対応すれば、このような仕組みを利用して外出先でも安全にメールを受信できる。

 また、メールに添付されたWord/Excel/PowerPoint/PDFのファイルも表示できるので、ExcelやPDFに書かれている文面を確認するためだけに出先でノートPCを開くといった必要もなくなる。

 とはいえ、iPhoneを使わなくても、Webメールなどのサービスを組み合わせれば、従来の携帯電話で会社のメールをチェックすることは可能だ。現にそのような環境を実現するための企業向けソリューションは無数に存在する。「外で会社のメールが読める」ことは、取り立てて強調するほどのiPhoneの強みなのだろうか。

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