写真で解説する「マイエリア」ドコモのフェムトセルサービス、スタート

» 2009年11月11日 21時22分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
Photo マイエリア用のフェムトセル基地局を紹介するNTTドコモ 代表取締役社長の山田隆持氏

 家の中でも、安定した速度で携帯電話を使いたい――。こんな要望に応えようというのが、ドコモのフェムトセルサービス「マイエリア」だ。

 サービスの背景にあるのは、自宅での携帯利用が増加傾向にある点。ドコモの調査によると、日常でケータイをよく使う場所は「自宅」が多く、10〜20代の66%、30〜40代の46%が自宅と回答。ケータイ動画を楽しむ場所についても8割弱が「自宅でくつろいでいるとき」と回答するなど、自宅でのケータイ利用は増えているという。

 自宅で携帯電話を快適に利用するためには、どの程度の通信速度が出るかがポイントになるが、1つの基地局に多くの端末がアクセスしている状態では、安定した速度での利用は期待できない。マイエリアは家族だけが使える小型基地局を自宅に設置することで、安定した速度で利用できるようにする。

 マイエリア専用のフェムトセル基地局には、最大10機までの端末を接続でき、4機までの同時利用が可能。通信速度はアクセスしている端末の数などによっても異なるが、発表会場のデモ環境では「3〜4Mbpsくらい出ている」(説明員)といい、これを少し下回るくらいの速度は出るようだ。

 2009年の冬春モデルは13機種がマイエリアの推奨機種となっており、これらの端末を使えば、自宅のFOMAエリアに入ると自動で基地局が切り替わる。いちいち設定を変えることなく安定した通信が楽しめるというわけだ。推奨機種以外でも既存の179機種でサービスを利用できるが、この場合、切り替えは手動で行うことになる。

 一般の基地局に接続するより安定した高速通信を利用できることから、ドコモはマイエリア専用の動画・音楽コンテンツを提供。ドコモ動画のような10Mバイトという制限がなく、1本90分の映画やドラマなども楽しめるという。

Photo フェムトセルのネットワーク構成とサービスイメージ

Photo マイエリア専用コンテンツと携帯側の画面

Photo マイエリア推奨機種は13モデル。推奨モデルは自宅のFOMAエリアに入ると自動で接続先がフェムトセル基地局に切り替わる。切り替わったかどうかは端末のピクト行で確認できる

家族の在宅状況を確認できる「イマスカ機能」

 自宅のFOMAエリアへの出入りを、出先の家族にiモードメールで伝えることができるのが、マイエリアの「イマスカ機能」。オートGPS対応機なら、FOMAエリアに出入りするだけで自動で在宅/不在メッセージが送信される(オートGPSの非対応機種は、手動でメッセージを送信する)。また、家族がエリアに入ったときにあらかじめ登録したメッセージを送信する機能も用意した。

Photo イマスカ機能の利用イメージ

Photo イマスカ機能の在宅確認画面

PPPoEマルチセッションに対応のブロードバンド回線が必要

 マイエリア用のフェムトセル基地局は、ドコモがユーザーの自宅に出向いて設置する仕組みで、利用にあたってはドコモのネットワークとフェムトセル基地局を接続するためのPPPoEマルチセッションに対応したブロードバンド回線が必要となる。現状ではNTT東西のBフレッツのみが対応回線になるが、通信事業者がPPPoEマルチセッションに対応すれば、マイエリア側でも対応する用意があるとしている。なお、設置した基地局は自宅内で動かすのは問題ないが、電波法上の事情から家の外に持ち出して利用することはできない。

 利用料金は初期費用が2100円、月額利用料が980円。2010年5月31日までは、初期費用無料、月額利用料490円のキャンペーン価格で利用でき、2010年6月1日以降は、ファミ割MAX50、オフィス割MAX50などの加入者は月額利用料490円で利用できる。

Photo フェムトセル基地局の設置はドコモが行う

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