購買につながるメルマガのコツ――“モバイルECサイト”に学ぶ傾向から探る「メールマーケティング」のコツ 第2回(1/2 ページ)

» 2009年11月17日 08時00分 公開
[北村伊弘(エイケア・システムズ),ITmedia]

 多くの企業が近年になってモバイルメールの活用に乗り出していることを前回の記事で紹介しましたが、その中でも特に取り組みに積極的なのがモバイルECサイトです。

 企業のメールマガジンは、自社の製品やサービスへの「誘導ツール」として活用されるのが一般的です。ユーザーを誘導する際には、最終的な目的(商品の購入など)を達成させるまでの時間的・空間的な隔たりが少ないほど、高い効果が見込めます。その点、モバイルECサイトは、商品の認知や吟味だけでなく、購入までの全プロセスを携帯電話で完結できるため、他業種よりも積極的にメルマガが活用されていると考えられます。

 では、こうしたモバイルECサイトは実際にどのような工夫によって販促効果を高めているのでしょうか? エイケアが2009年5月〜6月の2カ月間に行った調査結果を基に、その傾向を紹介します。ポイントとしては、「いつ送るか?(タイミング)」「どの程度の頻度で送るか?」「どんなタイトルが効果的なのか?」「どんな本文が誘導を高めるのか?」といったものがありますが、まずは配信のタイミングや頻度、さらにタイトルの傾向を見ていきましょう。

意外にも多い「夜の配信」&全体の2割は「毎日かそれ以上の配信」

photo モバイルECサイトの配信時間(平日)の割合

 エイケアの調査では、企業は17時〜20時にかけてメールを配信する場合が多く、特に平日はその傾向が顕著でした。モバイルECサイトが2カ月間の平日に配信した約1200通のメールのうち、約54%がこの時間帯に送られたものです。夕方に次いで配信数が多かったのは、12時台でした。

 また、私たちは当初、企業がコンシューマーへの迷惑を懸念して夜間のメールを控えていると予想していましたが、実際には20時台に日中の時間帯(12時台を除く)の2倍ほどのメールが配信されていました。

 通信の高速化やパケット定額制の導入なども手伝って、近年では通勤・通学時間や昼休みの時間帯に加え、自宅でくつろぎながら携帯サイトにアクセスするユーザーも増えているという話を耳にします。モバイルECサイトはこうしたユーザーを狙ってメールを配信していると想像できます。

 配信の頻度については、衝動的な購買を狙ってか、比較的高頻度に配信されているケースが多く、全体の約2割はほぼ毎日かそれ以上の配信を行っていました。逆に、週1回程度のペースでの配信は、ごくわずかでした。

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