出先でiPadの業務活用、シンクライアントでセキュアに――「CACHATTO」がiPadに対応

» 2010年07月26日 21時50分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
Photo いいじゃんネット代表取締役の坂本史郎氏

 9.7インチ(解像度1024×768ピクセル)の大画面を備えたiPadは、iPhoneの快適な操作性はそのままに、1画面に表示できる情報量が増え、文字入力もしやすくなったことから、業務活用の可能性に注目が集まっている。

 そのiPadから社内システムに、セキュアにアクセスできる環境を提供するのがいいじゃんネットだ。同社は7月23日、携帯電話から社内システムにセキュアにアクセスするためのソリューション「CACHATTO」(カチャット)をiPadに対応させた新バージョンを発表。あわせてiPadでよりセキュアに業務システムを利用するための専用ブラウザの提供も開始した。

主要なグループウェアに携帯やスマートフォンからアクセス

 CACHATTOは、携帯電話やスマートフォンから社内の業務システムにセキュアにアクセスするためのソリューション。社外の携帯電話からインターネットを通じて社内システムにアクセスするためには、DMZ(DeMilitarized Zone)にアクセス用サーバを置いたり、リバースプロキシを構築したりといった施策が必要になるが、CACHATTOはこうした環境を構築することなくセキュアな接続環境を提供するのが特徴。「LANにカチャッと差し込めば使える」(同社 代表取締役の坂本史郎氏)など導入も容易で、「30分から2時間半くらいで、Lotus Notesのメールが携帯電話やiPhoneから見える環境になる」(同)という。

 サイボウズ Office(サイボウズ)やLotus Notes Domino(IBM)、Exchange Server(マイクロソフト)、desknet's(ネオジャパン)などの主要なグループウェアに対応し、端末についても従来型の携帯電話に加え、iPhoneやWindows phone、Android端末、PCと幅広く対応。新たにiPadに対応することで、拡大する法人ニーズへの対応を強化する考えだ。

Photo CACHATTOのシステムイメージ。CACHATTOは、企業内からアクセスポイントのメモリ領域に定期的にポーリングをかけている。出先から企業内情報を見たいというリクエストをかけると、ポーリングが帰る時にリクエストが持ち帰られる。これによって、例えば社内のメールサーバからレスポンスを引き出した場合は、次のスレッドで持って帰ってレスポンスを返す。CACHATTOには外からアクセスできないため、セキュリティが確保される

Photo CACHATTOに対応するグループウェアとVer 4.5の新機能

 セキュリティ強度を高めるためのオプションとして、同社は7月23日からiPad専用ブラウザ「CACHATTO SecureBrowser」も提供。ブラウザ起動時に端末を識別するためのID認証を行うとともに、アクセスした企業内データや履歴がキャッシュとして残らない仕組みを提供することで、よりiPadをセキュアに使えるようにした。このブラウザは簡易タブブラウザ機能も備え、最大3つまでのサイトを同時に閲覧できる。

 「フルラインアップに対応し、端末にも経路にもデータを残さない。端末はあくまでもシンクライアントで、というのがCACHATTOのポリシー」(坂本氏)

Photo CACHATTO SecureBrowserのUI。端末内にデータを残さず、iPadをシンクライアント端末として利用できる

スレート型端末は1つのパワーに

 坂本氏はiPadの業務端末としての魅力について、ブラウザ性能や機動力の高さとともに、画面の大きさも挙げる。“iPhoneが大きくなっただけ”といわれることも多いiPadだが、大きな画面は見やすさや使いやすさにつながるため、重要というわけだ。年のいった経営層の世代でも見やすく扱いやすいことから、トップダウンで採用が決まることも多く、「1300台のiPadを導入する大塚製薬も、経営者がトップダウンで決めたと聞いている」(坂本氏)と話す。

Photo 画面の大きさの違いは、見やすさや使いやすさに影響する

 同氏はまた、今後3年でiPadをはじめとするスレート型端末が法人向け端末の1つの勢力になると見る。まずはメールとスケジュールの利用を定着させようというところから始まり、第2段階ではWebで活用するかアプリで活用するかを検討するために、社内WebのiPad対応やアプリのプロトタイプ開発、社外SaaSのトライアルといったことが始まると予測。スレート型端末についてはさまざまなメーカーが参入を予告していることから、どの端末がいいのかといったことも議論されるようになるだろうと予想する。


 現状では従来型携帯電話からのアクセスが8割を占めるCACHATTOだが、昨年、iPhoneのオプションを購入して試験的に導入していた企業が今年に入って本採用するケースが増えてきたと坂本氏。iPadをはじめとするマルチ端末対応を武器に、今後1年で国内企業200社、2万ライセンスの新規導入を目指す。

記事中のアプリ



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月29日 更新
  1. 20万円超のXperiaを「買い」に変えた3週間 ソニーが「モニタープログラム」を実施した理由 (2026年09月26日)
  2. 「SuicaでJR東海エリアをまたげない」問題、ついに解消か JR東海社長「勉強している」【訂正】 (2026年09月27日)
  3. なぜドコモはahamoの大幅値上げを避けたのか? 段階制で安くなるケースと「アップセル戦略」の狙い (2026年09月26日)
  4. ドコモ値上げの背景は? 副社長が語るahamoの競争力と、「楽天モバイル意識」の本音 (2026年09月25日)
  5. ソフトバンクとLINEヤフーが「Yahoo!スマホ買取」を始めた理由 スマホ高騰時代に目指す「中古の循環」 (2026年09月28日)
  6. ドコモが低容量プラン「ドコモ mini2」発表 6GB/12GBの2段階で月額3278円/4598円 (2026年09月25日)
  7. 高額な「iPhone Duo」を横目にどう選ぶ? Androidフォルダブルスマホをお得に買う方法【2026年9月版】 (2026年09月27日)
  8. “iPhone 18難民”の買い替え先は? 最新「iPhone 18 Pro」と型落ち「17/17e/16」から最適解を考える (2026年09月25日)
  9. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  10. パナの電動アシスト自転車、スマホ連携が可能に バッテリーの盗難防止や残量通知など 12月発売 (2026年09月28日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー