iPadで現場の“生きたノウハウ”を共有――リアル店舗の新たなIT活用の姿

» 2010年12月09日 00時01分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 インターネット、音楽、映像、電子書籍と、さまざまなコンテンツを閲覧できるモバイルデバイスとして注目を集めているタブレット端末。ビジネスの現場においても、すきま時間を活用する業務端末として導入されたり、デジタルサイネージのように利用されたりと、さまざまな活用がはじまっている。

 こうした中、“リアル店舗におけるスタッフ間の情報共有”を支援するiPadアプリケーションが登場した。販売ノウハウなどの属人的な情報を、アプリを通じて全店舗の店員から吸い上げて一元化し、それらを店員がリアルタイムに共有できるというものだ。

photo ノウハウ共有機能を備えた「ミライタッチ for iPad」

 開発したのは、ネット通販コンサルティングやシステム開発を行う五反田電子商事。同社が従来から販売する、iPad向け店舗販促ソリューション「ミライタッチ for iPad」の新機能として提供する。新機能の導入1社目として、ラグジュアリーブランドの「Sergio Rossi(セルジオ・ロッシ)」が12月15日から全店舗(20店舗)で利用するという。

現場の生きた声をリアルタイムに共有する

photo 吉田卓司社長

 五反田電子商事は2010年度から、リアル店舗を販促を支援するタッチパネル端末向けソリューション「ミライタッチ」を展開。すでにファッションブランド「ニューヨーカー」など複数企業が、接客や店舗誘導のツールとしてミライタッチを導入している。事業拡大に自信を見せる同社の吉田卓司代表取締役社長は、その根拠として、(1)ATMや駅の自動券売機などの普及によって、タッチパネル操作のリテラシーが幅広い年代にあること、(2)電子書籍が普及傾向にあり、そのための端末としてタブレット端末も普及しようとしていること、(3)タブレット端末が従来の業務用タッチデバイスよりもはるかに安価で、今後も低価格化が予想されること、という3つのポイントを挙げた。


photophoto ニューヨーカーのショップでは、カタログやゲーム機能を提供(写真=左)。またビジョンメガネの導入では、カメラを搭載する「GALAXY Tab」の特徴を生かし、メガネのバーチャルフィッティング機能を提供する(写真=右)

 今回のSergio Rossi向けソリューションでは、接客に役立つ電子カタログ機能に加え、商品データの1つ1つに対して店員がさまざまな情報を書き込め、他の店員の書き込みと合わせて閲覧できる機能を搭載した。服装と商品との相性や、商品ディスプレイの手法、販売時の注意点など、個々の商品にまつわるさまざまな“現場のノウハウ”を集約し、集合知による販売マニュアルとして活用できるというわけだ。店員の書き込みは「良かった」「悪かった」「お知らせ」「その他」とジャンルごとに分類して投稿でき、閲覧時にはジャンルごとに情報をソートすることも可能だ。

 また、各店員が書き込んだ情報を、Twitterのような感覚でリアルタイムに共有できることもポイントだという。メールで各店舗から意見を収集するといった従来の方法では、商品1つ1つのノウハウをこまめに収集するのが難しいだけでなく、収集したノウハウを素早く一元化するのが困難だった。ミライタッチはこうした問題を解決し、顧客満足度の向上に貢献すると吉田氏はみている。

photophoto Sergio Rossi向けアプリケーションの画面。価格帯やジャンル、ヒールの高さなど、さまざまな条件から商品を絞り込める(写真=左)。また、カタログの商品ページである動作をすると、店員用の商品ノウハウ入力画面へと移行できる。記入した情報はTwitterのように時系列順に表示される(写真=右)

 店員の書き込みは専用のWebページでも閲覧できる。書き込みをよく行う店舗や店員、よく書き込まれる商品などのランキング機能も用意して、店員の書き込みに対するモチベーションアップなどが図れるという。そのほか、商品カタログを電子化することで、情報検索性の向上や印刷代の削減も見込めるのも今回のソリューションの訴求点だ。


 医療、外食、営業支援、教育と、さまざまな分野でミライタッチのソリューションが活用できると語る吉田氏。Sergio Rossiの場合のように、機能を専用にカスタマイズできるプラン「STANDARD for iPad」「STANDARD for Android」に加え、ASPで汎用的な機能を低価格に提供する「Quick for iPad」「Quick for Android(予定)」と、4タイプのプランを提供し、導入企業を2011年9月までに100社に増やす目標だ。STANDARDプランの場合、初期導入費は300万円から、月額運用費が20万円から。Quickプランの場合は、初期導入費不要で月額10万円から(台数制限あり)となる。

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