iPadの便利さが生きる業務システムを開発できる――「FileMaker Pro 12」の無料評価版を試す(1/5 ページ)

» 2012年07月03日 17時01分 公開
[西村早苗(ファクトリー),ITmedia]

 社員情報や製品情報、経費、商品の出入り、原価、売上、資産――。企業の業務にはたくさんのデータがからんでおり、それをまとめてよりよく活用するために使われているのがデータベースソリューションです。

 ファイルメーカーは、そんなデータベースソフトを提供する企業。同社のFileMakerシリーズは、ほかのデータベースソフトに比べて比較的安価に導入でき、カスタマイズ性に優れているのが特徴です。

 2〜3人で運営する小さな企業から、あちこちに活動拠点を持つ中小企業や官公庁、グローバルな大企業まで、さまざまな企業の用途に最適化したシステムを構築できるのが強みで、米国では同時多発テロ被害者の身元を特定するためのデータベースとして使われているほか、バークリー音楽大学が入学希望者のオーディション管理などに採用しているといった事例もあります。

Photo 業務に役立つテンプレートを作成できる「FileMaker Pro」。現行の最新バージョンは12。個人、企業、医療機関、教育機関など、幅広い分野で利用されている

 また、同社は米Appleの子会社であることから、iPhoneやiPadとの連携にも力を入れています。例えば、同社のデータベース構築ソフトのFileMaker Pro 12を使って開発した精算管理表やカタログ、ファイルアーカイブシステム、フィールド調査用システム、受発注システムなどのソリューションは、「FileMaker Go 12」を通じてiPhoneやiPadでも使うことができます。

 さらに、ソリューションファイルは、別売りの「FileMaker Server」でホストすれば、3G回線やWi-Fiネットワークを通じてリモートからアクセスできるようになります。iTunesを使ってiPadにソリューションファイルをコピーして持ち出せるので、例えばフィールド調査なら、現場でiPadのカメラやマイクを使ってデータを収集してFileMaker Goから調査票に登録し、会社に戻って本部システムにデータを反映する――といったことが可能になるわけです。

 本企画では、FileMaker Proに興味を持った人に、まず「どこがどのように便利なのか」の入り口の部分をお伝えしようと思います。FileMaker Pro 12には、30日間限定でフル機能を使える評価版が用意され、「見積書」「連絡先」「タスク」「製品カタログ」「請求書」などといった16種の汎用ソリューションも用意されています。

 まずはこの汎用ソリューションを使ってみて、製品の特徴をつかんでみてはいかがでしょうか。今回は「連絡先」「タスク」「経費精算書」「リサーチ記録」の4つをピックアップし、基本操作と使い方を紹介します。“iPadを導入したのはいいけれど、うまく使いこなせていない”“自社の業務に適したソリューションが見つからない”という悩みを抱えている企業の方にオススメです。

Photo FileMaker Proには、テンプレートを自社に最適化した仕様にカスタマイズできるツールも用意される

まずは評価版をダウンロード

 FileMaker Pro 12の試用版は、Windows版とMac版が用意されています(本企画ではWindows版を使います)。まずはFileMakerのサイトから、評価版をダウンロードしましょう。

 サイトの「無料評価版ボタン」をクリックして、メールアドレスや名前など必要な情報を入力します。すると入力したメールアドレス宛にダウンロードサイトのお知らせが届くので、そこからソフトウェアをダウンロードします。

Photo 画面右上にある「無料評価版」ボタンをクリック
Photo ここで入力したメールアドレス宛にダウンロードサイトのお知らせが届く
Photo 使用環境を確認し「FileMaker Pro 30日間の無料評価版」から「Windows版」または「Mac版」のいずれかをダウンロード

FileMaker Pro 12の起動

 インストールしたFileMaker Pro 12を起動すると「FileMaker Pro 評価版」のダイアログが表示されます。

 「FileMaker Proを試用」ボタンをクリックし、次に表示される「FileMaker クイックスタート」ダイアログ左下の「Starter Soltutionを使用」の文字をクリックすると、16種類のソリューションを選択するダイアログが表示されます。

 アプリケーションのインストールからここまでは、わずか数分。あとはソリューションを選択するだけでデータベースが自動的に作成されます。

Photo 右下の「FileMaker Pro を試用」ボタンをクリック
Photo 左下の「Starter Soltutionを使用」の文字をクリック
Photo Starter Solution」ダイアログには16種類のソリューションの名称が表示されている

 まずは「連絡先」を選択してデータベースを作成してみましょう。

 最初に連絡先のデータを入力する画面が表示されます。画面上部のステータスツールバーの各ボタンをクリックしてレコードの追加や削除を行ったり、必要な情報を検索したり、表示順を変更したりします。メニューバーにある「レコード」メニューからも同様の機能を選ぶことができます。

 画面左上の「レイアウト」をクリックすると、「デスクトップ」「iPad」「iPhone」用のレイアウトが作成されます。また、表示画面に1件単位で表示する「詳細」と、複数をスクロールしながらリスト形式に表示する「一覧」のレイアウトは、ボタン操作で簡単に切り替えることができるようになっています。これらのレイアウトは使用環境に対応して切り替わるように設計されているのです。

Photo 「連絡先」を選択
Photo 「新規レコード」ボタンでレコードを追加する。「レコード削除」ボタンでレコードを削除する。「検索」ボタンで検索モードにモードを切り替える。「ソート」ボタンでレコードの表示順を指定する
Photo 「デスクトップ」「iPad」「iPhone」それぞれに一覧と詳細のレイアウトが自動生成されている

データベースをiTunes経由でiPadにコピーする方法

 今回は、手軽にデータベースに情報を登録できるよう、iPadにコピーしてみましょう。ただし、iPadにコピーしたデータベースは他のユーザーからアクセスすることはできません。データベースを共有する方法については、別の機会にご紹介できればと思います。

 PCに接続しているiPadに、iTunes Storeから無料アプリ「FileMaker Go 12」をインストールします。iTunesの上部のメニューから「App」を選択し「ファイル共有」を表示します。さらに左側のAppのリストから、先ほどインストールしたFileMaker Goを選択。あとは「FileMaker Goの書類」欄に「追加」ボタンで作成したファイルを選択するか、直接ファイルをドラッグ&ドロップして追加します。

 なお、「FileMaker Go の書類」には、サンプルデータが入ったデータベースがプリインストールされています。もし必要なければファイルを選択してdeleteキーで削除し、必要であれば「保存先」ボタンで指定した場所にファイルをコピーした後に削除します。

Photo iPad用には「FileMaker Go 12 for iPad」をインストール
Photo PCに接続しているデバイスを選択した状態で画面上部の「App」メニューを選択。さらにファイル共有の「App」から「FileMaker Go」を選択。「FileMaker Go の書類」欄に「連絡先.fmp12」ファイルをドラッグ&ドロップまたは「追加」ボタンで追加
Photo iPadからFileMaker Go 12アプリを起動すると、コピーしたファイルが「デバイス上のファイル」に並んで表示される。目的のファイルをタップしてデータベースを起動する
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