Samsung、携帯電話の年間出荷台数でトップに――14年ぶりに首位交代調査リポート

» 2012年12月19日 14時01分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 Samsungが、携帯電話の年間出荷台数でついにトップに立った。「GALAXY」シリーズが好調なSamsungが、スマートフォンで出遅れたNokiaを追い抜いた格好。調査を行ったHIS iSuppliは14年ぶりの首位交代について「スマートフォンが明暗を分けた」と分析している。

 2012年通年の携帯電話の出荷台数(暫定)を調べたiSuppliによると、トップはシェア29%のSamsungが獲得。Nokia(24%)は2位に転落し、1998年から14年間続いた王座の座をSamsungに譲った。3位は2011年と同様、Appleが獲得している。

■世界のスマートフォン シェアランキング(メーカー別)
順位 メーカー名 2012年のシェア 2011年のシェア
1 Samsung 28% 20%
2 Apple 20% 19%
3 Nokia 5% 16%
4 HTC 5% 9%
5 RIM 5% 11%

■世界の携帯電話 シェアランキング(メーカー別)
順位 メーカー名 2012年のシェア 2011年のシェア
1 Samsung 29% 24%
2 Nokia 24% 30%
3 Apple 10% 7%
4 ZTE 6% 6%
5 LG 4% 6%

 iSuppliは今回の首位交代劇について「スマートフォンが明暗を分けた」と分析する。特にSamsungは、スマートフォン分野の“ファストフォロワー(素早く追随する)戦略”が奏功したとみる。「Samsungはスマートフォンのデザイントレンド、ユーザーのニーズ、(ニーズがあるのに)対応製品のない市場などをモニタリングし、それらの市場にマッチする製品を効果的に開発し、投入した」と評価している。その結果、Samsungはスマートフォンのシェアを2011年の20%から28%に伸ばし、2012年のスマートフォンメーカーの上位5社中、最も成長したベンダーになると予想している。一方のNokiaは、SymbianからWindows Phoneベースへの移行がスムーズに進まず苦境に陥ったと分析している。

 3位のAppleは、スマートフォン分野に限定するとシェア20%で2位の座を維持しているが、シェアはSamsungの28%と8ポイントの差があり、前年に1ポイントだった差がさらに開いた形となった。SamsungはGalaxyスマートフォンのラインナップを拡充し、ハイエンドだけでなく低コストのスマートフォンセグメントでも出荷台数を伸ばしたことが、シェア拡大につながったという。

 Samsungの積極展開のあおりを受けているのはAppleだけではなく、HTCも厳しい戦いを余儀なくされているとiSuppliは分析している。スマートフォン分野では上位5社のうちSamsungとAppleの2社のみがシェアを伸ばし、2社の合計は48%(Samsung:28%、Apple:20%)に達している。これは2011年の39%(Samsung 20%、Apple 19%)からの増加で、二強体制が鮮明になった格好だ。3位はNokia、HTC、BlackBerryのResearch In Motionの3社で、シェアは5%だった。

 総合では、4位がZTE(シェア6%)、5位がLG(同4%)となった。2012年のスマートフォンの出荷台数は前年比35.5%増となり、スマートフォンの普及率は47%(2011年は普及率35%)に達すると予想している。スマートフォンの出荷台数は大きな伸びを見せているが、携帯電話全体の2012年の出荷台数は前年比わずか1%増にとどまる見通しだという。

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