Samsungが、携帯電話の年間出荷台数でついにトップに立った。「GALAXY」シリーズが好調なSamsungが、スマートフォンで出遅れたNokiaを追い抜いた格好。調査を行ったHIS iSuppliは14年ぶりの首位交代について「スマートフォンが明暗を分けた」と分析している。
2012年通年の携帯電話の出荷台数(暫定)を調べたiSuppliによると、トップはシェア29%のSamsungが獲得。Nokia(24%)は2位に転落し、1998年から14年間続いた王座の座をSamsungに譲った。3位は2011年と同様、Appleが獲得している。
順位 | メーカー名 | 2012年のシェア | 2011年のシェア |
---|---|---|---|
1 | Samsung | 28% | 20% |
2 | Apple | 20% | 19% |
3 | Nokia | 5% | 16% |
4 | HTC | 5% | 9% |
5 | RIM | 5% | 11% |
順位 | メーカー名 | 2012年のシェア | 2011年のシェア |
---|---|---|---|
1 | Samsung | 29% | 24% |
2 | Nokia | 24% | 30% |
3 | Apple | 10% | 7% |
4 | ZTE | 6% | 6% |
5 | LG | 4% | 6% |
iSuppliは今回の首位交代劇について「スマートフォンが明暗を分けた」と分析する。特にSamsungは、スマートフォン分野の“ファストフォロワー(素早く追随する)戦略”が奏功したとみる。「Samsungはスマートフォンのデザイントレンド、ユーザーのニーズ、(ニーズがあるのに)対応製品のない市場などをモニタリングし、それらの市場にマッチする製品を効果的に開発し、投入した」と評価している。その結果、Samsungはスマートフォンのシェアを2011年の20%から28%に伸ばし、2012年のスマートフォンメーカーの上位5社中、最も成長したベンダーになると予想している。一方のNokiaは、SymbianからWindows Phoneベースへの移行がスムーズに進まず苦境に陥ったと分析している。
3位のAppleは、スマートフォン分野に限定するとシェア20%で2位の座を維持しているが、シェアはSamsungの28%と8ポイントの差があり、前年に1ポイントだった差がさらに開いた形となった。SamsungはGalaxyスマートフォンのラインナップを拡充し、ハイエンドだけでなく低コストのスマートフォンセグメントでも出荷台数を伸ばしたことが、シェア拡大につながったという。
Samsungの積極展開のあおりを受けているのはAppleだけではなく、HTCも厳しい戦いを余儀なくされているとiSuppliは分析している。スマートフォン分野では上位5社のうちSamsungとAppleの2社のみがシェアを伸ばし、2社の合計は48%(Samsung:28%、Apple:20%)に達している。これは2011年の39%(Samsung 20%、Apple 19%)からの増加で、二強体制が鮮明になった格好だ。3位はNokia、HTC、BlackBerryのResearch In Motionの3社で、シェアは5%だった。
総合では、4位がZTE(シェア6%)、5位がLG(同4%)となった。2012年のスマートフォンの出荷台数は前年比35.5%増となり、スマートフォンの普及率は47%(2011年は普及率35%)に達すると予想している。スマートフォンの出荷台数は大きな伸びを見せているが、携帯電話全体の2012年の出荷台数は前年比わずか1%増にとどまる見通しだという。
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