ソフトバンクの米Sprint買収、米司法省が連邦委に審査の中断要請――国家安全保障の調査のため

» 2013年01月30日 14時14分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 ソフトバンクが計画中の米Sprint Nextelの買収について、米司法省(DOJ)が米連邦通信委員会(FCC)による審査を中断するよう申し出ていることが分かった。DOJは国家安全保障などの観点で調査中であり、調査結果が出るまで判断を延期することを求めている。

 FCCが1月29日に公開した延期要請書によると、DOJは連邦捜査局(FBI)、国土安全保障省(DHS)と共同で、ソフトバンクによるSprint買収計画を国家安全保障、法律、公共保安の観点で精査しており、まだ調査が完了していないという。そのため、3機関が調査を完了したという通知を出すまで、FCCによる買収承認の判断を延期するよう要請している。また、自分たちの調査結果に基づいてFCCが適切な行動をとることを要請すると付け加えている。

 Sprintは米国3位の通信キャリアで、ソフトバンクによる買収計画は2012年10月に発表された。ソフトバンクは約201億を投じて同社の株式70%を保有するとし、2社は発表当時、2013年半ばの買収完了を目指すとしていた。買収成立のためにはFCCなどの承認を得る必要があるが、この計画については、衛星放送のDish NetworksもFCCに対し、審査中断を求めている。

 公共性の高いモバイルネットワークについて米政府は、国外企業に慎重な目を向けており、2012年秋にはインフラ技術を提供する中国Huawei TechnologiesとZTEの2社に対して、インフラ部分での調達を控える勧告が米下院より出されている。Huaweiについては、創業者と中国政府とのつながりへの疑惑が理由に挙がっていた。

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