ドコモ、ベンチャーとの連携強化 「イノベーションビレッジ」で起業支援へ

» 2013年02月07日 16時51分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 NTTドコモがベンチャー企業との連携強化に動き出した。同社は1月7日、NTTの子会社である投資ファンド運営会社、NTTインベスト・パートナーズの全株式をNTTより譲り受け、新会社ドコモ・イノベーションベンチャーズ(DIV)を2月下旬に設立すると発表した。新会社を通じてベンチャー企業への出資を積極的に行い、スマートフォン向けサービスや新事業領域の拡大などを進めたい考えだ。

 DIVでは、NTTが出資するNTTインベストメント・パートナーズファンド投資事業組合に加え、ドコモが新設する運用資金100億円・運用期間10年のドコモ・イノベーションファンド投資事業組合を一元的に管理。また、ベンチャー企業を発掘すべく起業支援プログラム「ドコモ・イノベーションビレッジ」を立ち上げ、参加企業の募集を始めた。同プログラムでは、モバイル関連サービスを提供するスタートアップや起業を目指す個人に参加を募り、審査を通ったチームに200万円の助成金や、専門家から指導を受ける機会などを提供する。また、ドコモ子会社の米DOCOMO Capitalが出資した米国の有力インキュベーター、500 Startupsとも連携し、同社のプログラムを受ける機会を用意する。

グローバルスタンダードの創出目指す

photo NTTドコモ執行役員フロンティアサービス部長 中山俊樹氏

 新たな取り組みの背景として、NTTドコモの執行役員フロンティアサービス部長の中山俊樹氏は、ベンチャー企業の事業展開スピードが従来よりも加速している点を挙げる。

 クラウドをはじめとする技術トレンドによりサービスの初期開発コストが「どんどん安くなっている」(中山氏)ことで、ベンチャー企業が早期にサービスを拡大できる土壌が整ってきた。こうした状況に合わせ、ベンチャーキャピタルの投資フェーズも早まっている向きがあり、米国では起業を目指す若者を少額の資金や“ビジネス道場”的なプログラムで支援するインキュベーター、アクセラレーターの仕組みが増えている。このドコモ版がドコモ・イノベーションビレッジということになる。なお、日本の通信キャリアではKDDIもインキュベーションプログラム「KDDI ∞ Labo」を展開している。


photo ドコモのベンチャー支援の目的は大きく分けて3つ。スマホサービスの強化、新事業領域の開拓、ベンチャー育成環境への貢献だという

 DIVはNTTグループのベンチャー企業投資の一元的な窓口となり、幅広い投資ステージのベンチャー企業への投資を行っていくというが、中心となるのはシード、ミドルといったステージの企業だと中山氏は説明する。また、ドコモ・イノベーションビレッジにおいてはとりわけ若く小さい企業を対象に参加を募る。具体的には、設立3年以内・従業員10人以下の法人あるいは起業を計画する個人が対象となる。

 第1回目で募集するテーマは「グローバルスタンダードになりうる、モバイルを活用したサービス」で、それもドコモの製品やサービスで利用できるものが条件となっているが、「悩ましいところで、気持ちとしては(ドコモ製品との連携に)こだわりたくない」と中山氏。例えばiOSのアプリケーションの提案なども、「入り口からノーということはない。そこから話し合う」と、広い目線で支援対象を検討していく姿勢を見せた。


photophoto 支援内容とスケジュール

 プログラムの期間は5カ月間。4月ごろに審査を終え、募集の中から「募集結果にもよるが、5〜6チームほど」(中山氏)を選出し、200万円の助成金(コンバーチブル・ノート)、共同オフィススペース、ドコモの各種API・技術情報、開発用のクラウド環境(Bizホスティング Cloud)を提供する。また、メンターによる経営や開発の指導も実施。参加チームはこうした支援の下、5カ月間でサービスのβ版リリースを求められる。優れたサービスだとドコモが判断した場合には、プログラム終了後にプロモーションや営業の支援、さらに協業や出資が検討される。

 中山氏は支援内容の中でも特にAPIの提供に関して強くアピールし、取り組みを通じたAPI連携サービスの創出に期待を寄せた。なお、参加者が利用可能なAPIはドコモ・イノベーションビレッジのWebページ内にまとめられている。

 さらに同氏は、グローバルに通用するサービスを創出していきたいとし、その上で500 Startupsと連携するメリットを語った。500 Startupsからは創立メンバーや同社で経験を積んだメンターが派遣され、参加チームに対しアドバイスや成功事例の共有を行う。また北米進出を計画しているチームには、シリコンバレーでの短期メンタリングの機会も与えられるという。


photo 500 Startupsとの連携概要

 将来のプログラムでは、「“学び”に関するWebアプリ」といった具合に特定のテーマに絞った募集も考えているという。中山氏は春モデルとして発表したタブレット端末「dtab」や折りたたみ式の2画面端末「MEDIAS W N-05E」を挙げながら、「こうした特徴的な端末がこれからも出てくる。どういった利活用があるのか、開発コミュニティの方々と一緒になって考えていきたい」とコメントした。

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