モバイルデータ通信の利用が多様化、米ユーザーの過半数がカスタマイズプランに関心調査リポート

» 2013年02月18日 15時53分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 米国では一部の通信キャリアが、2012年から複数端末を対象とする新たなデータ料金制度、「データ共有プラン」の提供を開始している。Strategy Analyticsの調査で、データ定額制を利用しているスマートフォンユーザーの過半数が、このようなデータ共有プランをはじめ、速度保証などのカスタマイズプランに関心を示していることが分かった。

 データ共有プランは1契約でスマートフォンやタブレットなど複数の端末でデータ通信料を共有できる料金プラン。2012年に最大手のVerizon Wirelessが開始し、AT&Tなども導入し始めている。データ共有プランは共有できるデータ通信(パケット)に上限が設けられており、上限を超えると従量ベースの課金になる。そのため、ユーザーの利用の仕方によってはデータ共有プランの方が割高になることもある。

 今回、調査会社のStrategy Analyticsが、事実上データ通信に上限を設けていないデータ定額制を利用する米国のスマートフォンユーザーを対象に、料金プランに関する調査を行った。それによると、データ定額のような一律の料金プランではなく、自分の利用スタイルやニーズに合ったカスタマイズプランに関心がある人が約60%に達していることが分かった。複数台で共有できるプランに対する関心も55%を上回り、家族で共有する料金プランに対する関心も50%を上回った。通信速度の保証についても50%以上の回答者が関心を示した。

 Strategy Analyticsによると、米国、中国、英国の調査で、スマートフォンユーザーの6割以上が、端末上で自分のデータ通信量についてリアルタイムでモニタリングしたいという回答を得ており、カスタマイズプランについても、50%が関心を示した。

 Strategy Analyticsは今回の調査から、「ユーザーは自分の利用量を自分で管理・制御したいと思っており、自分に合う料金プランを利用したいと思っている」とまとめている。通信キャリアに対しては、「速度保証などのオプションの中から、顧客が自分の料金プランをカスタマイズできるユーザーフレンドリーな機能を最初に提供する通信キャリアが、次世代のモバイル時代の勝者となるだろう」(同社モバイルブロードバンド機会担当ディレクター、スーザン・ウェルシュ・ド・グリマルド氏)とアドバイスしている。

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