屋根置き住宅用太陽光発電システムに参入、低コストでHEMSもセット太陽光

Looopは、従来取り組んできた産業用再生可能エネルギー事業や電力小売事業に加え、住宅用太陽光発電システム事業に参入する。産業向けでのノウハウを生かし、新たに住宅向けブランド「Looop Home」の展開を進めていく。

» 2016年05月10日 13時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 Looopは東日本大震災を契機とし2011年4月に設立した再生可能エネルギーを中心としたエネルギーベンチャー企業だ。自然エネルギーの利用拡大を目指し、太陽光発電設備を自作できる「MY発電所キット」シリーズなどを展開し、自然エネルギーでの発電の拡大に取り組んできた。さらに電力小売事業については以前から展開してきた高圧向け、特別高圧向けに加え、2016年4月には低圧向け電力小売として「Looopでんき」の展開を開始し、業容の拡大を進めている。

 これらの流れの中、新たに参入するのが「屋根置き」を想定した住宅用太陽光発電システムである。

 太陽光発電システムは、太陽電池パネルや架台、パワーコンディショナーなどを組み合わせて初めてシステムとして成立する。同社が展開している「MY発電所キット」シリーズは、ソーラーパネル、国産メーカーのパワーコンディショナ(パワコン)、オリジナル組み立て式架台、国産ソーラー分電盤、ケーブルなどの電材をオールインパッケージで提供するキットシステムとして低価格で提供していることが特徴である。手軽さや低コストなどが評価を受け、2015年末までに1465件の販売実績を残しているという。

屋根置き太陽光発電事業

 これらの実績を生かし、新たにLooopでは住宅向けの屋根置き太陽光発電事業に参入する。ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)などスマートハウス化が後押しする住宅用太陽光発電市場においても、産業用で培ったノウハウと商品開発力を活用し、高品質かつ低価格なシステムで普及拡大を目指すという。

 新たに提供する「Looop Home」は、耐環境性にも優れた両面ガラス構造の新型パネル「NEXTOUGH」を採用(図1)。高耐塩害性の両面ガラスパネルにより、長期間にわたり劣化を抑える他、耐荷重性にも優れ、積雪地域でも利用可能としている。さらに、ソーラーパネルの出力保証を30年80%という長期間行う他、システムとしても10年保証とする。パワーコンディショナーは国産メーカーのIDEC、オムロン、田淵電機のものを採用する他、架台ついても国内で実績のある屋根技術研究所などの架台を採用する。さらにHEMS(住宅用エネルギー管理システム)を標準搭載していることなども特徴である。価格は1kW(キロワット)当たり19万8000円からとしている。

photo 図1 展示会に出展したLooopの両面ガラス構造太陽光発電パネル「NEXTOUGH」(左側)

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