洋上風力をめぐる入札制度の見直し、「迅速性評価」や“総取り防止”の仕組みを導入自然エネルギー(4/4 ページ)

» 2022年11月07日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]
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残った促進区域の決定方法は?

 それでは残る促進区域Bはどのように決定されるのか。港湾はもうb港しか残されていない(図7)。

 促進区域Bでは、暫定的に評価点1位となった公募参加者3に対して、利用重複を避けたb港利用計画の再提出を認め、再評価を行う。ここで元々b港利用計画としていた3位の公募参加者1と比較し、最終的に評価点の高い計画が選定されることとなる。

 この方式の場合、計画の再提出・再評価の期間として3〜4か月程度掛かると想定されており、事業者選定の遅れは、選定後の風況・海底地盤調査等の日程にも影響を与え、運転開始時期がさらに遅れることも懸念されている。

これは、迅速性を求めた公募見直しの趣旨に逆行するおそれもある。

図7.利用重複を避けた計画再提出による再評価 出所:洋上風力促進WG

 現時点で「海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾」として指定済みの港湾は、能代港、秋田港、鹿島港、北九州港の4つに限られることが、このような重複が生じる一因となっているため、速やかな指定港湾の増加が期待される。

複数区域同時公募時の落札制限

 国内の洋上風力産業が黎明期にあり、多数の事業者へ参入機会を与える観点から、多数の区域において公募を実施する際は、落札数に制限を設けることとする。

 つまり、たとえ最安値であったとしても1社総取りは許さない仕組みとなる。

 具体的には、公募参加者1者が選定された促進区域の系統容量合計(もしくは発電設備容量合計)が1GW以上となった場合、落札上限に達したと判断し、当該参加者による残る応札海域の応札提案は無効とする。

 今後のスケジュールとしては、11月〜12月に公募占用指針案に関するパブリックコメントを実施し、年内を目処に第2ラウンド公募占用指針の公表、公募の開始が予定されている。

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