現在日本では、充電時間に応じた課金(/分)(時間制料金)が主流であるのに対し、諸外国では、充電した電力量に応じた課金(/kWh)(従量制課金)が主流となっている。
充電器運営事業者の事業継続性やユーザーの納得感の観点からは、充電出力が高い領域で特に、従量制課金の実現が重要となる。
通常、電力料金は基本料金(kW)と従量料金(kWh)の二部料金制が採用されており、基本料金は、当該需要家(需要地点)の年間最大需要電力(デマンド)により決定される。
このため、高出力もしくは複数口の充電器を設置した充電施設では、基本料金が非常に高額になると想定される。仮に充分な充電量(kWh)が得られない場合、当該地点の負荷率(≒稼働率)は低いものとなり、無駄に基本料金を支払うかたちとなる。
これは、当該需要家(充電施設)の基本料金の問題だけでなく、送配電事業者による配電設備の増強投資を要するものでもあり、社会全体として非効率な設備形成となることが懸念される。
このため、高出力な充電器を設置する場合でも、充電電力(kW)をマネジメントする機器や蓄電池の併設など、最大需要(デマンド)を抑えるための工夫が必要となる。今後、充電ビジネスの自立と社会コストの最小化の両立を目指した検討が進められる予定である。
今後検討会では、利便性が高くサステナブルな充電インフラ社会の構築を目指して、まずは基本的な理念を整理する予定としている。
その上で、2030年に向けたEV・PHEVの普及見通しや、民間各社における充電器の意欲的な導入計画、諸外国の設置目標等を踏まえ、充電器の整備目標を設定することとする。
充電インフラ整備目標では、車両の充電性能や航続距離、充電に必要な電力コスト等を踏まえ、充電器の整備間隔(密度)、1箇所当たりの口数や出力、エネルギーマネジメントの必要性等についても方針を示す予定としている。
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