変動する再エネを調整力として活用するには? 需給調整市場を見据えた検討がスタートエネルギー管理(3/5 ページ)

» 2023年08月25日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

広義の下げ調整の分類

 以上より、需給調整市場においては「GC以降」の調整力調達および調整力運用を行っているのに対して、卸電力市場での取引や優先給電ルールに基づく再エネ出力制御は、「GC以前」の需給を一致(同時同量達成)させるための調達と運用を行っている(調達と運用は一体的)と考えられる。

図4.広義の下げ調整の分類 出典:需給調整市場検討小委員会を基に筆者作成

1.GC以前の同時同量達成のための抑制

 太陽光の余剰が想定される場合、1のようにGCより前の段階で同時同量を満たした発電計画を作成するために、計画時点において電源IIIや再エネを抑制することとなる。

 このような太陽光過多の場合、前日スポット市場では最低価格(0.01円/kWh)付近で約定すると想定されるため、発電コスト(燃料費)が少なからず生じる電源IIIを有する事業者は、前日スポット市場から供給力を調達し、自身の電源IIIは停止する(経済差し替えを行う)ことが経済合理的な行動になると考えられる。

 同じく、揚水発電や蓄電池を有する事業者は前日スポット市場からの買い入札により安価にポンプアップや充電を行い、高価格時間帯に発電/放電することにより、収益が得られる。

 まずは、これらの経済合理的な行動により、出力制御必要量を減らすことが望ましいと考えられる。

図5.経済合理的行動に基づく前日スポット約定結果 出典:需給調整市場検討小委員会

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