FIT/FIPの認定要件となる「説明会」と、違反時の交付金停止措置の方針が明らかに2024年4月に改正再エネ特措法が施行(5/5 ページ)

» 2023年10月05日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]
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太陽光パネルの増設・更新に伴う適正な廃棄の確保

 従前の再エネ特措法では、太陽光発電の出力が増加する際には、設備全体の調達価格/基準価格を最新価格へ変更することとされていた。他方、このような増出力は、既存設備の有効活用という観点からは促進すべきものと考えられる。

 このためWG第1次取りまとめを踏まえた再エネ特措法の改正において、更新・増設をする際に、認定出力のうち当初設備相当分は当初価格を維持することとして、増出力相当分は十分に低い価格を適用するとともに、更新・増設後の設備も含めて当初設備の調達期間等を維持することとされた。

図5.太陽光パネルの増設・更新に係るルール変更 出典:再エネ長期電源化・地域共生WG

 その上で、FIT/FIP 制度による支援期間中の太陽光パネルの更新に当たって発生する廃棄等費用については、積み立てられた解体等積立金を充てるのではなく、個別に適正な廃棄を求めていくこととした。この個別での適正な廃棄を担保するため、解体・撤去業者に廃棄等を依頼する契約書など一定の書類の提出を求めることとし、書類の提出がない場合には、変更認定は認めないこととした。

 なお、再エネ特措法に基づく廃棄等積立制度では、積立開始のタイミング(運転開始後10年目)から調達期間の終了(運転開始後20年目)までの間、各時点での発電量に応じた金額が、原則外部積立される。このため、積立てを行う期間中に、パネルを増設(図6:X kW→Y kWに増設)した場合、積立開始から増設までの間、増設分(図6:(Y−X)kW)の廃棄等費用が積み立てられないおそれがある。

図6.更新・増設する場合の廃棄等費用の積立状況のイメージ 出典:再エネ長期電源化・地域共生WG

 よって、当該不足分は、増設に係る変更認定時に一括して原則外部積立てを求めることとする。太陽光発電協会は、このような一括積立は事業者の負担が大きく、太陽光パネルの増設・更新のインセンティブを損なうものであるとして、エネ庁に対して積立方法の見直しを求めている。

 本来、使用済み太陽光パネル等の適切な廃棄・リサイクル等は事業者の責務であり、仮に積立制度が無かったとしても、確実に行われるべきものである。事業者インセンティブと適切な廃棄・リサイクル等を両立させる工夫が求められる。

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