先述のとおり、太陽光発電は電力需要のピーク時間帯に十分な日射量が見込めるとは限らないことから、EUE算定による火力等の安定電源代替価値を供給力として見込んでいる。
夏季の電力需要ピークは昼間帯であるのに対して、冬季の電力需要ピークは点灯帯(夕方以降)に発生し得ることから、冬季の太陽光発電に対する調整係数はかなり小さな値が設定されており、太陽光供給力も小さく算定されている(※表8の設備容量は2023年度供給計画の数値であるため、表8の調整係数を乗じた供給力とは一致しない)。
なお、2022年度冬季の実績としては、全国最大需要が午前9〜10時に発生したことから、太陽光供給力の合計は1,510万kWとなり、事前の想定値を大きく上回る結果となった。
以上より、2023年度冬季は各エリアとも、予備率3%以上を確保できる見通しとなり、2021年度冬季に初めて実施されて以来、夏冬の恒例行事となっていた「kW公募」の開催は回避できることとなった。
ただし、今年度も発電機補修作業の延長やトラブル停止等により、すでに100万kW以上の供給力が減少していることから、予断を許さない状況である。
広域機関では、電力需給モニタリングにより、kW・kWhの両面から需給状況を監視し、需給バランスの悪化が予見された場合には、国や一般送配電事業者と連携し需給対策を講じる予定としている。
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