排出量取引制度(ETS)では、対象者に毎年度、排出実績と等量の排出枠の償却を求め、対象者は、排出枠償却量≧排出量実績とすることにより、目標達成と判断される。
現行のSHK制度において、国に報告するGHG排出量は第三者による検証は不要であるが、ETSでは、排出量・削減量が金銭的価値を持つことから、排出実績について、第三者による検証が必要とされる。
ただし、検証を行う第三者機関や制度対象事業者側での体制整備に一定の期間を要するため、当面は法人全体の排出量に対して一律に高い水準での保証を要求するのではなく、大規模な事業所と小規模な事業所では異なる保証水準を適用可能とすることなどを検討する。
ETS第2フェーズにおいては、一定の基準に従って算定した排出枠を、対象事業者に全量を無償で割り当てることとして、CO2排出量を目標量以下に抑制した事業者は、実質的に費用負担が生じないかたちとする。
対象事業者は、国が策定する指針(排出削減水準の目安)に従い、排出枠の割当量を自ら算定するとともに、排出枠割当申請に際して、第三者による認証を行う。
排出量実績の検証や排出枠割当量の認証を行う第三者機関は、国による登録制度を設けることとする。
ETS制度の実効性を担保する観点から、償却期限までに、排出実績に相当する排出枠を償却できない場合、その未達分に応じて、「未償却相当負担金」(仮称)を支払わなければならないこととする。未償却相当負担金の額は、「履行しなかった償却義務量(t)」×「排出枠の上限価格(円/t)」×「調達コスト相当の算定率」(1.X 倍)として計算する。なお、排出枠余剰分は翌年度に持ち越し(バンキング)可能である。
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