サプライチェーン全体の排出削減を進めるため、サプライチェーン上の関係事業者に対して排出量の報告や削減を求めるにあたっては、まずは自らの排出量を算定報告することが不可欠である。
このため、第1フェーズと同じく次期GXリーグにおいても、自社のScope1・Scope2排出量の2030年度削減目標の設定及びその進捗状況の報告・公表を行うことを参画要件とする。なお義務的排出量取引制度の開始に伴い、現在GXリーグで実施している自主的な排出量取引は、2025年度で終了となる。
また、サプライチェーン全体での排出削減を定量的に把握するためには、サプライチェーン上の企業と連携してScope3排出量を算定する必要がある。ただし、Scope3の算定に当たっては、一次データ収集の困難性、算定範囲の違いに起因するデータの比較困難性等の技術的課題も残されている。このため現段階においては、Scope3に関する定量的な削減目標の設定は、次期GXリーグの参画要件とはしないこととする。
なお、事務的負担軽減の観点から、次期GXリーグにおいては、温対法の算定報告公表制度(SHK制度)と様式を統一した上で、同じ資料を両制度事務局に提出可能とする。これにより、参画企業の当年度の排出量は次期GXリーグ事務局のHPで一覧性を持って公表されるとともに、年度ごとの変化等の詳細はSHK制度のHPで公表される。
GX需要創出に向けては、BtoBの経済活動におけるGX製品・サービスの調達と、最終消費者の選択の双方の取り組みが不可欠であり、サプライチェーンの中・下流の企業の役割が重要となる。
このため、「排出量の算定報告、削減目標の設定」と並び、GX需要創出等に係る取り組みを次期GXリーグへの参画要件とすることとした。
具体的には、次期GXリーグへ参画を希望する企業は、図4②のA〜Cの3つの類型における取り組み内容例の中から、「2つ以上」の取り組みを選択することを要件とする。
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