眠そうな人や時計ばかり気にしている人、自分の発言にしか興味がない人――そんな不毛な会議をしてませんか? はてなやGoogleをヒントに、集中力が持続する有益なミーティングの方法を考えて見ましょう。
「はてなブックマーク」など独自のサービスで人気のある、はてなの開発会議は、その内容をポッドキャストで実況中継したり、ユーザーからのリクエストを小さな紙片に記入し、「すぐやる」「そのうちやる」「ペンディング」「終わった」など4つのカゴに分けて管理するなどユニークなプロジェクト管理で有名です。その1つが「立って会議を行う」という方法です。
会議でウトウトしたり、メールの返信を書いたりなどほかのタスク処理をやって集中できない人をよく見かけませんか? 立って会議をやると、個々人の集中力が増し、より短時間で結論を出そうという機運が高まります。眠そうな人がいたら、全員スタンドアップ! まず、頭がさえます。
わたしの会社でも、開発陣は朝の10分間、立ったままお互いの進捗報告を行います。最近は朝のみ、英語で報告を義務付けました。みんな、なんとか頑張って慣れない英語で報告しています。
またプロジェクト会議は、なるべく会議室などで行わずに、ホワイトボードの前で図解を混じえ、問題を整理しながら、解決方法を書き込んでいくというスタイルを奨励しています。ホワイトボードに図示することで、問題点が自然と整理され、参加メンバー間で共有できます。文字に書くのに比べ、齟齬(そご)や誤解も少ないというメリットがあります。わざわざ会議のアポイントをメンバー間で入れなくとも、思い立ったら会議、という機動力が大事です。
いつでも、どこでも会議ができるように、ホワイトボードはオフィスのあちらこちらに置いておくことをおすすめします。手軽にホワイトボードを増やすのであれば、キングジムの「ミーティングシート」などを使えば、即席のホワイトボードとして使うことも可能です。最後に、それをカメラで撮って、参加者全員にメールで配布すれば、議事録代わりにもなります。
Googleは、その優れたサービスだけでなく、独特のワークスタイルでも知られる会社です。例えば20%ルールというものがあり、業務時間の20%(つまり、週に1日)は、現在の業務とは関係ない新しいサービスの研究や開発に費やしてもいいというルールになっています。これは、以前述べた付加価値領域にあたる部分ですね。
なるべく多くの時間をプログラム開発にあてるべき、と考えるGoogleでは、会議や時間管理の方法も特徴的です。「ライフハッカー」に掲載された、その時間管理法を紹介しましょう。
- 時間配分付きアジェンダ:議題ごとに予定時間を付けて事前に配布します。時間内にどのレベルまで到達すべきかを参加者全員で共有でき、スタートアップが早くなります。
- 議事録と巨大クロックのリアルタイム投影:議事録係を決めて、議事録を会議の進行と同時にプロジェクタで映し出します。そのため、参加者全員で合意事項をその場で確認することができます。また、大きなタイマーもプロジェクタで映し出し、参加者に時間を意識させます。
- 短時間会議をたくさんこなす:5分、10分といった小さな単位の会議をプロジェクトやテーマごとに、細切れに行うことで、会議だけで1日の予定が埋まるようなことを防ぐし、会議の間が30分開いてしまうような無駄も防ぐことができます。
- オフィス・アワーは誰でも上司に相談可能:一定の時間帯をオフィス・アワーに設定し、部下はその時間帯であれば、自由に上司のオフィスを訪れて相談ができます。米国の大学で行われている習慣をオフィスに応用したものですが、Googleらしい制度ですね。
5分、10分でカタが付く会議というものは多いはず。そうしたマイクロミーティングをたくさんこなせるように、会議集中タイムを作っておくと便利です。部下にとって忙しい上司の時間をとることが生産性向上のネックになっていることも少なくありません。管理職は十分気をつけましょう。
本連載は、6月26日発売の書籍『結果を出して定時に帰る時短仕事術』(ソフトバンククリエイティブ刊)から抜粋・再編集したものです。
残業ゼロで成果を倍増する仕事効率化術――。と言っても、単に効率化だけではダメ。人生の価値マネジメントから始めるタスク管理としくみ作りを実践しましょう。「ワークライフバランス」と言っても単に時間バランスだけとっても意味はありません。
ビジネスパーソンは、顧客の要望を上回る成果を出しながらも、自分の時間をしっかり確保して、プライベートの充実と自分の付加価値を高めるための将来に向けた事故投資を両立する必要があります。
本書は、しっかり結果を出しながらも、将来の自分価値を高めるための「時短仕事術」を紹介しています。人生の価値感管理から日常生活のタスク管理まで、生産性戦争に打ち勝つためのテクニック満載です。
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
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