企業ごとに格差が広がるコンタクトセンターの現状コンタクトセンターが企業の顔になる(4/4 ページ)

» 2006年02月06日 08時51分 公開
[上村陽子,ITmedia]
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米国で注目される「NBA」

 「NBA」という用語が、米国のマーケッターの間で一般に使われているという。もちろん、バスケットボールのNBAではなく、Next Best Activity(もしくは Action)の略だ。直訳すれば「次に取るべき最善の行動」となるのだろう。顧客プロファイルや取引履歴を基に分析モデルを構築し、コンタクトセンターを中心とする顧客接点で、個々の顧客ごとに最適なマーケティングアプローチを取るための取り組みである。

 特に欧米の金融サービス、テレコム業界が注力するこの領域への取り組みは、顧客サポートを中心にコストセンターとなりつつあったコンタクトセンターを、マーケティング機能を併せ持つプロフィットセンターへと変革させる1つの方策と言える。欧州のある企業では、顧客をその嗜好と行動傾向から6つのタイプに分類し(例えば「コストに敏感な顧客」など)、それぞれに適した対応を取ることで、顧客満足度の向上と20%の売り上げ増加を得たという。

2局化がさらに拡大する

 上述のような取り組みには、相応の努力が必要である。恐らく、コンタクトセンターの改善に積極的な姿勢を持つ一部の企業が推進することになるだろう。

 これは、コンタクトセンターを持つ企業の2極化をさらに拡大するものとなりかねない。より高度な顧客サービスを提供し、売り上げの拡大を図る一部の「勝ち組」が出てくることも予想される。

 確かに、国内の主流を占める中小規模のコンタクトセンターでは、新たな活動を起こすことは難しいだろう。しかし、現状のサービスレベルに甘んじるのではなく、「さらなる顧客満足度の向上」「さらなる効率化」「売り上げへの貢献」に積極的に取り組んでいくことが、今、多くのコンタクトセンターに求められている。

上村陽子


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