さて、この製品のもう1つの特長は、非常に多彩なソースに対応している点だ。内蔵BDドライブでのBD/DVD観賞、CDやSACDの再生、FMラジオはもちろんのこと、Bluetooth機能を搭載し、最近のソニー製品では“当たり前”になりつつあるNFC(Near Field Communication)によるペアリングやワンタッチ接続も可能だ。また、USBストレージ再生や、LAN経由でのインターネット動画/音楽再生にも対応している。BD内蔵ということで、この製品では基本的にテレビを接続して利用することになるが、CD再生時にはインターネット経由でGracenoteの情報を参照し、テレビ画面の右側にアルバムアート、左側にアーチスト名、アルバム名、曲名などが表示される。
Bluetoothはバージョン3.0に対応しており、コーデックはSBCに加えて、AACにも対応。プロファイルとしてはA2DP 1.2(Advanced Audio Distribution Profile)、AVRCP 1.3(Audio Video Remote Control Profile)に対応している。Bluetooth再生時の曲名表示も可能だ。今回試用したスマートフォンのAndroidは4.2で、4.3ではないが、Walkmanアプリを利用した場合には曲名表示が可能だった。
ただ、Bluetooth再生時のみの特殊な動作が1点だけある。それはサラウンドアンプとのワイヤレス通信が強制的にオフになるということだ。サウンドモードは「2ch Stereo」に固定され、サウンドモードの変更は不可となるのだが、これはBluetoothとの競合/干渉を避けるためなのだろう。
インターネット機能では、ソニーのビデオ配信サービス「Video Unlimited」、音楽配信サービス「Music Unlimited」などに加えて、YouTubeやHuluのようなビデオサービスも利用可能。PCやプレイステーション3などを接続しなくとも、ホームシアターシステム単体で使えるため便利に感じる人も多いだろう。このほかにWebブラウザも搭載されているが、こちらは動作が重く、あまり実用的ではないと思ったほうがいい。
対応ネットサービス名 | 概要 |
---|---|
YouTube | 動画共有サービス。キーワード検索で見たい動画を次々と再生する機能も |
Video Unlimited | 最新の洋画や邦画、アニメなど豊富なラインアップの動画配信サービス(有料) |
Music Unlimited | 往年の名曲から最新ヒット曲まで1300万曲が聴き放題の音楽配信サービス(有料) |
Hulu | ハリウッド映画や人気海外ドラマ、邦画まで約1万タイトルが見放題になる定額制動画配信サービス(有料) |
3D Experience | サッカーFIFAワールドカップの試合映像など3Dの体験版が楽しめる無料コンテンツ |
DMM.TV | 映画からアニメ、アイドル、バラエティなどさまざまなジャンルをカバーした動画配信サービス。1作品から購入可能(有料) |
U-NEXT | 定額制見放題 |
JOYSOUND.TV | 自宅のテレビで楽しめるカラオケサービス。月額1000円のコースと24時間300円のコースがある(有料) |
TBS世界遺産コレクション | TBS「THE世界遺産」のダイジェストを無料で試聴できるサービス。すべてHD画質 |
日本経済新聞電子版映像ニュース | 「日本経済新聞電子版」で配信している映像ニュースを無料で試聴できるサービス |
Billabong | 豪Billabong(ピラポン)が提供するスポーツ動画配信サービス。サーフィンやスノーボード、ウェイクボードなどを扱う |
vTuner | 世界中のネットラジオ曲が聴ける。約5000局をラインアップ |
また、DLNAに対応しており、しかも、DTCP-IPにも対応していることは注目すべき点だ。DLNAサーバー機能をもつBDレコーダーや、ネットワーク対応HDD「nasne」に記録した録画番組などもネットワーク経由で視聴可能だ。ただ、再生操作周りはもう少しがんばってほしい印象で、30秒送り/戻しなどには対応しておらず、早送り/早戻しは3段階で可能なものの、単に早送り/早戻しなどを実行しただけではプログレスバーなどが表示されないため、再生位置がまったく分からない。あらかじめ、画面表示ボタンを押して、プログレスバーが表示されている状態で早送り/早戻しボタンを押すなどの工夫が必要だ。その点だけ気を配れば、操作への反応などはさほど悪くなく、ストレスを感じることもないだろう。
この「BDV-N1WL」は、一見すると、デザイン優先のホームシアターシステムという印象を持たれるかもしれない。そのデザイン性に花を添えるように、フロント/サラウンドのイルミネーションや、本体のBDドライブ部のスライドドア開閉動作など、遊び心もふんだんに盛り込まれている。しかし、決してそれだけではない。映画再生時の音響は意外と本格的なもので、ネットワークやBluetoothなどの多彩なソースにも対応しているなど、“実”もかなり詰まっている。さらにワイヤレスリア接続は、スピーカーの配置に不安を抱いている人に1つの答えを示し、ホームシアター導入の間口を広げることにいくらか貢献するだろう。その充実した内容を考えれば、5万円前後という価格は非常に魅力的だと感じられるのではなかろうか。
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