着信アリ「携帯を通じて来ちゃうんだって」Mobile&Movie 第96回

» 2004年01月16日 16時26分 公開
[本田亜友子,ITmedia]

作品名着信アリ
監督三池崇史
制作年・製作国2003年日本作品

 女子大生の由美は友達に誘われた合コンの席で、不可思議な現象を目撃をします。酔っ払って盛り上がる仲間たちの声に混ざって、鳴り出した携帯電話の着信メロディ。それぞれが自分の携帯電話ではないかと確認しますが、違う様子。

「陽子、電話だよ」

「私の着メロじゃない」

「陽子の携帯が鳴ってるよ」

 結局、陽子の携帯電話が鳴っていたのでした。呼び出し音が止まり、液晶には“着信アリ”の文字。

「これ私の番号……」

 発信元を確認すると、なんと陽子の携帯の番号だったのです。残された留守電のメッセージを聞いてみると

「やだ、雨が降ってきちゃった」

 と、陽子の声で入っていました。自分の携帯に自分の番号で電話がかかってきて、さらに着信時刻が三日後になっているなんて……。不審に思ったものの、その場は何かのいたずらと割り切って帰宅しました。それから、普段と変わらぬ日々を過ごして三日が経ち、由美の携帯電話に陽子から電話がかかってきました。

「明日、買い物付き合ってよ」

「いいけど」

「陽子、今どこ?」

「何、聞こえない?」

「この時間じゃなかったっけ」

 明るい陽子の声と裏腹に、由美はなぜか胸騒ぎを覚えます。三日前、陽子の携帯に表示された着信時刻が、まさに今だったのです。

「やだ、雨が降ってきちゃった」

 留守電に残っていたメッセージを陽子が発した時、由美の耳に悲鳴が響きます。陽子は携帯を持ったまま事故に遭い、死んでしまったのです。怯えながら、事故現場に駆けつけた由美に、女子高生たちの噂話が聞こえてきました。

「携帯を通じて来ちゃうんだって」

 由美は陽子の事故死を不審に思い、女子高生たちに尋ねてみると“死の予告電話”について教えてくれました。発信は自分の携帯番号で、残された留守電のメッセージは自分の死ぬ間際の声、着信時刻は三日後、自分の死の予告時間だと。そして“死の予告電話”を受けた携帯の持ち主はみな、事故で死んでしまうのです。

「自分の携帯番号、着信拒否にしておいた方がいいですよ」

 女子高生たちは、そう言い残して帰って行きました。三日前の陽子の携帯の着信がいたずらではないと確信し、“死の予告電話”の謎を解こうとする由美。

 数日後、同じ合コンの席にいたケンジの携帯にも自分の番号で“着信アリ”のメッセージが残されていました。陽子の時と同じようにケンジ本人の声が入って、着信時刻は三日後。ケンジは深刻に受け止めていませんでしたが、またしても着信の時刻に、事故で死んでしまいます。

 事故の現場に居合わせた由美は、想像を越えた何かの仕業だと思わずにはいられませんでした。では、いったい何が……、そう由美が考えているうちに、今度は親友のなつみの携帯に“着信アリ”のメッセージが届いてしまいます。恐怖で目を見開いたなつみとその背後に人の手が映った、不気味な画像まで添付されて。

 親友のなつみを助けようと、由美は必死になって“死の予告電話”の秘密を調べていきます。そんな時に知り合ったのが、葬儀屋の山下でした。山下もまた、妹を不可解な事故で亡くして、その原因を追っていたのです。携帯電話を通じて呪いが連鎖していくことまでは判明したものの、真相の究明には到らず、なつみの死の予告時刻は迫ってきます。由美と山下は、なつみを助けることができるのでしょうか。そして、“死の予告電話”の正体は?

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月13日 更新
  1. “SIMを挿せない”新iPad向け 日本通信が1GBで209円の「データeSIM」を発表 (2024年05月11日)
  2. KDDI高橋社長が語る新戦略 ローソン協業でPonta経済圏をさらに拡大、5Gは“auだけ”の強みを生かす (2024年05月11日)
  3. 異例ずくめのドコモ社長交代 若返りだけでない、前田義晃新社長の手腕に期待すること (2024年05月11日)
  4. 「ドコモ社長交代」や「NTTドコモ・グローバル設立」の背景は? NTTグループ決算説明会で語られたこと (2024年05月10日)
  5. 新「iPad Air」実機レポート 先代のiPad Proに近づき、普及価格帯の“ハイエンドiPad”に (2024年05月08日)
  6. 先代からどれだけ値上げ? 新「iPad Air」「iPad Pro」の価格まとめ (2024年05月08日)
  7. 日本でも発売する「Xiaomi 14 Ultra」カメラ実写レビュー 光と影を追いたくなる描写、こんなにも写真が楽しいスマホは久々だ (2024年05月09日)
  8. 「Xperia 1 VI」登場か? ソニーが5月15日午後4時に「Xperiaの新商品」を発表 (2024年05月07日)
  9. IIJmioの大容量プランは「思ったよりも好評」、ドコモ回線品質の苦情は「減っている」と勝社長 (2024年05月10日)
  10. irumo、Y!mobile、UQ mobileのキャンペーンまとめ【5月12日最新版】 ミドルスマホ高額割引や最大10万ポイント還元など多数 (2024年05月12日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年