PCでもバンドルソフトなどは必要最低限とシンプルなデル。Axim X3iでもそれは同様だ。オリジナルソフトは“Picture”という画像ビューワのみ。ただしこの“Picture”は、SDメモリカード内の画像をフォルダ指定することなく画像一覧を表示させられる。ちょっとした編集やEメール添付の指定にも対応しており、miniSDカード対応のカメラ付きケータイとの組み合わせで使うのも楽しいだろう。
ユーティリティは「切り替えバー」と「データバックアップ」の2つ。切り替えバーはメニューバーに常駐し、アプリケーションを終了させたり、バックライトや省電力設定をワンタッチで呼び出す機能を持つ。Pocket PCではアプリケーション自体には終了という概念がないため、ヘビーに使う人には便利な機能だ。
切り替えバーはメニューバーに常駐するアイコンをクリックするとドロップダウンメニューが表示される。直前に利用した機能も素早く呼び出せる |
データバックアップはスタンドアロンでメモリカードにPIMデータなどをバックアップできる機能。Axim X3iでは内蔵フラッシュメモリの空き容量約32Mバイトをメモリとして利用でき、ここにもバックアップを行える。PCとの同期をあまり行わないユーザーには便利な機能だ。
データバックアップはPCレスのバックアップに対応。いざという時の備えにはPCへのバックアップよりも復元が手軽に行えるため便利だ |
無線LAN用にも独自ユーティリティが付属する。複数のプロファイルを管理でき、アクセスポイントの検索機能も備える。Today画面のステータスバーに電波強度を示すアイコンが表示され、このアイコンをクリックすれば無線LAN機能のオン/オフや、設定作業が行える
無線LAN機能のオン/オフは、ボタン操作と機能が重複するが、ボタン操作はアプリケーションの動作状態に関わらず利用できる点が異なる。ただユーティリティでのオン/オフと連動していないのはちょっと分かりにくい。例えばユーティリティ側で無線LANがオフになっていると、ボタン操作で無線LANをオンにしても無線LANが機能しない。
Axim X3iは良くも悪くもデル流のPocket PCだ。強力な個性はないし、オリジナルソフトも必要最低限に留めている。国内でもライバルとなるだろうiPAQ Pocket PCシリーズほどデザイン面で凝っているわけでもなく、質実剛健な作りだ。
実用面で重要になる操作性も悪くない。右側面のスクロールダイヤルはPIMやブラウザ、メールなどほとんどのアプリケーションで有効に機能し、無線LANのオン/オフがボタン操作で行えるのも便利。電源ボタン以外で電源がオンにならない設定も可能だ。押さえるべきポイントは外していない。
もっともAxim X3iの最大の魅力となるのは、やはり価格だ。無線LANを内蔵し、直販で3万7800円という価格は競合製品と比べて安い。ライバル機と目されるiPAQ Pocket PC「h4150」と比べても直販価格で7000円ほど安く、h4150の付加価値となるBluetoothが不要なら割安感は強い。
インターネットへの接続手段は国内メーカーの2スロット機(CF+SD)に比べると制限される。SDIO Now!に対応しているとはいえ、国内で広く利用されているインターネット接続手段であるPHSは現状では使えず、SD/IO仕様のSDカード型PHSの「AH-S101S」が対応しない限りPHSによるインターネットアクセスは行えない。
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現状ではPHSインフラを活用できないという難点はあるが、無線LAN内蔵のPDAが欲しいならリーズナブルで魅力的な選択肢の一つになるだろう。
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