もともと韓国メーカーを中心に登場した、液晶が左右に回転するという独特なヒンジ構造のモデル。日本国内でも、話題を振りまいた京セラの「A5305K」(2003年5月の記事参照)に続き、「SO505i」(2003年4月の記事参照)、パナソニック モバイルの「P505iS」など(2003年11月の記事参照)、横回転型の端末が続々登場。カメラを生かしたヒンジ構造として、確実に市民権を得てきた。
CeBIT 2004では、こんな“独特のヒンジ構造”が海外でもポピュラーになっていくことを予感させる端末が目白押しだ。
メガピクセルカメラの搭載が、従来の折りたたみ型から凝ったヒンジ構造への転換を促したのは「SO505i」でご存じの通り。世界各国でも、メガピクセル端末は普通の折りたたみ型ではない。
写真は、Samsungが展示した同社初のメガピクセルGSM端末「SGH-P730」。「CAMCORDER PHONE」の名称通り、ポイントはカメラだ。カメラはSamsung製100万画素CMOS。ゴツいヒンジ部の裏側に埋め込まれている。
このカメラを活用すべく、多彩なスタイルで写真・動画が撮影可能。普通の折りたたみ型端末のように液晶が開閉するほか、横にも回転する──。
つまり、パナソニック モバイルの「P505iS」が採用した“爪切りスタイル”がここにもあるわけだ。
次の写真も“どこかで見た”形状だ。LGが展示している「T5100」は、130万画素のCMOSカメラを備えた端末。カメラの位置に注目。盛り上がったヒンジ部にビルトインされたカメラは、液晶の開閉に併せて一緒に回転する。同じカメラが、開くと内側に、閉じると外側に向くわけだ。
つまり──。こちらも三菱電機の「D505i」が採用したヒンジ構造に酷似している。
回転……という点では、Motorolaも負けていない。31万画素ながら、液晶が横回転する「V80」は来場者の人気の的。この回転スタイルは、まさにカメラのためにある。閉じたまま、デジカメのように構えて撮るというよりも、横向きまで回転させて、ビデオカメラのように撮るのが正しい。
欧州勢では、まだこうした複雑なヒンジ構造の端末は珍しい。Sony Ericssonが投入する「S700」程度しか見あたらないのが現状だ(3月19日の記事参照)。しかし携帯電話が“イメージング”を軸に進化していくなら、避けられぬ道なのかもしれない。
国内ではカメラの画素数だけでなく、それを表示するディスプレイの大きさと解像度が重要な要素だと認知されて久しい。大きな液晶と高解像度のカメラを、どのような形で携帯に盛り込んでいくのか。チャレンジはまだ始まったばかりだ。
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