au端末の型番ルールでは、型番の最後に端末を開発したメーカーの名前を示す2文字のアルファベットが付いている。京セラは「K」、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズは「S」、東芝は「T」、カシオ計算機は「CA」、日立製作所は「H」といった具合だ。
型番の最後に「ST」と付いていたのが、三洋マルチメディア鳥取が開発する端末。しかし、3月に店頭に並んだ「A5405SA」(4月20日の記事参照)は、同社開発の端末であるにもかかわらず、最後に付いているのは「SA」だ。「ST」という名前はどうなってしまうのだろう。
STからSAに変わったのは、2003年4月の三洋電機グループの組織再編に伴うものだと、三洋マルチメディア鳥取モバイル通信技術部 モバイル通信企画課の山下隆弘課長。
「2003年4月以前は、完全な独立採算性のグループ会社の1社だったが、4月の組織再編以降、三洋電機の100%子会社になった。これに伴い、開発はこれまで通り三洋マルチメディア鳥取で行うが、最終製品として出す際には、三洋電機の名前(端末の型番には「SA」)が入ることになった」
製品パッケージや付属品に印刷されるのも三洋電機の名前。唯一名前が残っているのは、アンケートの送り先だ。「今後も、三洋マルチメディア鳥取ならではのUIや使い勝手を引き継いだ端末を開発していくので、ユーザーからの意見は、直接届くようにしている」。
なお2003年4月以降にリリースされた端末でも、それ以前に開発に着手していた「A5306ST」(2003年7月の記事参照)や「INFOBAR」(型番は「A5307ST」)は、型番名がSTになっている。つまりこれらが「ST」の付いた最後の端末ということになる。
三洋電機製のau端末開発は今後、三洋テレコミュニケーションズと三洋マルチメディア鳥取の2社が行うが、開発自体はそれぞれが別で行うという。「型番からSTが消えても、これまでの“鳥取三洋らしい”端末が消えるわけではない」(山下氏)。
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