“ケータイで読書”は、「メル友OL」が引っ張る

» 2004年04月22日 23時46分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 携帯コンテンツ市場を牽引するのは「メル友OL」──。携帯向け電子ブック配信に参入して半年、東京国際ブックフェアの講演に立ったパピレスの天谷幹夫社長は、携帯市場の傾向を、こう表現した。

 パピレスは、PCやPDA向けに電子ブックコンテンツを配信する「電子書店パピレス」を運営、半年前から携帯電話向けにも電子書籍配信サービスを開始している。

 EZwebとボーダフォンライブ!向けには公式サイトでコンテンツを配信。iモード向けには勝手サイトで提供中だ。

PCやPDAとは異なる購買者層

 同じ電子ブック配信でも、購買者層はPCやPDAと大きく異なると天谷氏。前者は30台がピークで、20代と40代が続く。携帯電話は20代が圧倒的に多く、次いで30代、10代の順だ。

 女性の購入者が多いのも携帯電話ならでは。購入者の男女比では女性が55%で、男性購入者が多いPCとは大きく異なる。売れ筋も若者層のアクセスが多いためか、文芸や恋愛小説の人気が高いという。

 「PCのイノベーター層は、大きく2つのタイプで構成されている。ひとつは30〜40代の男性で、サラリーマンやITに強い“テクノ中年”、もうひとつは若くて趣味を深く追求する“オタクヤング”。携帯電話の場合は18〜28歳の仕事を持つ女性で、メールのやりとりが多いことから携帯の画面で文字を読むことに慣れている層。こうした“メル友OL”が市場を牽引する」

無料で名作1000タイトルを配信

 これまで紙の本を読んできた人にとって、携帯の小さい画面での読書は新しい体験になる。なるべく抵抗をなくしてもらおうと、パピレスでは2つの施策を行っている。著作権切れの名作1000タイトルの無料提供と、有料コンテンツ全タイトルの無料サンプル提供だ。

 「携帯での読書に慣れてもらうことが重要。そこから新しいものを読みたくなる」。無料サンプルでは、立ち読み感覚で読んでから購入するかを検討できるよう、冒頭部の1500文字を無料で提供している。

 パピレスの携帯電話向けサイト。一時は書店で品切れになっていた、芥川賞作家、綿谷りさ氏の「蹴りたい背中」も携帯で読める
 携帯での配信にあたっては、ライフメディアが開発した読書ビューワを採用。アプリサイズを小さくして、大量のテキストを収録できるようにしている

 思い立ったときに時間や場所を気にせず、読みたい本を読めるのが、“携帯で読書”の醍醐味。最近ではパケット定額制や回線の高速化が進んでいることもあり、「第三世代携帯電話が普及すれば、伸びが期待できる」と天谷氏。

 パピレスではアプリ経由でコンテンツを配信しているため、8000万台市場といわれる携帯電話のうち、同社のコンテンツに対応した端末はまだ一部。パピレスでは携帯の中心顧客層に合わせた品揃えを増やし、携帯の電子ブック市場を拡大したい考えだ。

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