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» 2004年05月19日 18時09分 UPDATE

欧州携帯市場の勢力図(1):巨人Vodafoneにアライアンスで対抗 (1/2)

日本で使っている端末やサービスを、そのまま海外でも使える──。こうした使い方を可能にするには、日本の通信キャリアが海外の通信オペレータとローミング契約する必要がある。欧州の通信オペレータ事情を見てみると、日本の通信キャリアとの関係も見えてくる。

[末岡洋子,ITmedia]

 NokiaやSiemensなどの大手端末ベンダーの本拠地がある欧州──。プリペイドやSMSの成功を受け、携帯電話普及率が日本より高いといわれる市場だ。欧州は約30の国で構成される巨大市場で、英・独・仏をはじめとする西側諸国とチェコやポーランドなどを抱える東側諸国とでは携帯事情も異なる。

 日本と同様、普及フェイズを終えた西側諸国は、端末の買い替えやサービスのグレードアップ(3Gを含む)需要をどのように喚起するかが課題になっている。一方の東欧諸国は当面、新規加入者が一定の割合で増えることで市場が成長するものと見込まれている。

 この特集では、西側諸国を中心に(英・独・仏・伊・スペイン・オランダ・ベルギー・デンマーク・スウェーデン・フィンランド・ギリシャ)、通信オペレータの勢力図から見た欧州モバイル市場の動向をまとめてみる。

加入者トップはVodafoneグループ

 欧州の通信市場は、巨額を費やした3Gライセンス購入やITバブルの崩壊により、大きな打撃を受けた(2003年9月の記事参照)。そのため欧州オペレーターはここ2〜3年を再建に費やしたが、2004年に入って明るい兆しが見えてきた(2月23日の記事参照)。

 2月に開催されたモバイル最大のイベント「3GSM 2004」では、“3G”をキーワードに、久々に活気がよみがえった。各社の最新四半期の業績結果を見ても財務状況は改善されつつあり、業界全体が再び成長軌道に乗ろうとしている(2月25日の記事参照)。

 通信オペレータのマーケットシェアという観点から見ると、今回取り上げる11カ国は各国で事情は違っても、ある共通した原則が見て取れる。それは首位を占めるのが、その国の固定電話を独占してきた(旧)国営通信会社(日本でいうNTT)系無線通信会社で、2位が英Vodafone系、3位がその国の新興通信企業というパターンがあることだ。

 各国の固定電話系としては、独T-Mobile(Deutche Telecom)、仏Orange(France Telecom)、オランダKPN Mobile(Royal KPN、独市場では“E-Plus”ベルギー市場では“BASE”という名称で展開)、英mmO2(British Telecom)、伊TIM(Telecom Italia)、スペインTelefonica Moviles(Telefonica)が挙げられる。北欧のスウェーデンとフィンランドの通信会社が合体したTeliaSoneraのモバイル事業部もこのグループに入る。

 西欧のモバイル市場は、これに1985年に無線通信専業企業として創業された英Vodafoneを加えた8社で、市場のほとんどが占められる。

 西ヨーロッパの加入者ベースで各オペレータのシェアを見ると、トップはVodafoneで28%。僅差で2位争いを展開中のT-MobileとOrangeに大きく水をあけての首位となっている。最下位は、英・伊市場で3Gを展開中のHutchison 3G。香港から欧州に進出し、3Gサービスに注力する非欧州系新規参入オペレータである同社の加入者数は、まだ全体の1%にも達していない(2月6日の記事参照)。

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 加入者ベースのオペレータ別シェア(西ヨーロッパ)

 欧州市場はこのようにVodafoneの一人勝ち状態といえる。しかし最近では、危機感を覚えた各社がアライアンスを組む戦略で巻き返しを図ろうとする動きも見られる。現在、TTTOとMobile Allianceという2つの対抗連合が生まれている。

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