作品名 | 下妻物語 |
監督 | 中島哲也 |
制作年・製作国 | 2004年日本作品 |
ロリータファッションに人生の全てをかける少女・桃子は、ヤバい仕事に手を出した父親のせいで、関西から茨城県の下妻に引っ越してきました。フリルヒラヒラの桃子の装いは、田んぼだらけの下妻では浮きっぱなし。でも桃子は気にせず、わが道を突き進みます。
下妻に越してきてよかったのは、代官山にある大好きなプランドの本店が近くなったこと。桃子はラブリーな厚底靴で最寄駅まで歩いて電車に乗り、往復数時間かけて、そのお店まで洋服を買いに行っていました。
しかし、だんだんお金が続かなくなってきて、桃子はお小遣い稼ぎに父親が前に商売していた某ブランドの偽物を売りさばくことを思い付きます。事業に失敗した後も桃子の家には、山のような在庫が残されていたのです。
桃子は、自分の好きな洋服を買うために勝手にその偽ブランド品を売り始めます。そこへ、最初に現れたお客さんこそが、下妻のヤンキー娘・イチゴでした。フワフワメルヘンファッションの桃子にイチゴは絶句、そして桃子もバリバリヤンキーファッションのイチゴに絶句。決して接点のない二人が、出会ってしまったのです。
偽物にも関わらず、桃子が差し出す洋服になぜかいちいち感動するイチゴ。桃子はそんなイチゴに格安で商品を譲ることにします。おたがいの第一印象は最悪でしたが、イチゴは桃子の度胸に惹かれ、桃子の家にちょくちょく遊びに来るようになります。これまで友達を作らず、思うままに自分のペースで生きてきた桃子も、イチゴの素直さに惹かれ、少しずつ心を開いていきました。
ある時イチゴは、自分の夢を桃子に打ち明けました。それは、レディースでお世話になった先輩・亜樹美さんの引退式に、自分の想いを込めて手刺繍の入った特攻服で出席すること。桃子の協力のおかげで、刺繍は引退式に間に合い、イチゴは夢をひとつ実現することができました。
そして、桃子にも夢が叶うチャンスが突然訪れます。しかし、桃子は目の前の幸せを掴み取ることができません。あまりにも幸せ過ぎて、びびってしまったのです。そこで、桃子はイチゴの携帯に電話をかけます。
「忙しい、今?」
「これから集会だけど」
桃子の元気のない様子が心配なイチゴ。
「会いたいよ、イチゴ」
いつも一人で平気と言っていた桃子が、寂しげな声で呟きます。
「行くぜ! どこでも行ってやるぜ!」
今度はイチゴが桃子の夢を応援する番。イチゴは優しく答えます。
ロリータの桃子とヤンキーのイチゴ、見かけは正反対の二人ですが、電話越しに固く強い絆を確かめ合えたのでした。桃子とイチゴの友情、夢、そして初恋が、コミカルにスピーディに展開していくこの作品。イチゴの携帯電話の着メロが尾崎豊だったり、トコトン細部にまでこだわった演出で楽しませてくれます。カメオ出演も豪華なので、まばたきした一瞬にお見逃しのないように!
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