無線LANの電波利用料、「徴収せず」を明言〜総務省

» 2004年10月01日 17時22分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 総務省は10月1日「電波利用料制度の見直しについての基本的な考え方」をまとめ、Web上で公開した。「免許不要局」のうち2.4GHz帯の無線LANなどは、電波利用料の徴収対象としない旨が明記された。

 現在、免許不要局からは電波利用料を徴収していない。しかし、電波の有効利用の推進と負担の公平性の観点から、一定の免許不要局からは「応分の電波利用料を徴収すべき」とする見解があり、議論を呼んでいた。

 今回の最終報告書では、免許不要局を「帯域占用型」と「非占用型」の2種類に分けるとともに「非占用型については、電波利用料は徴収しないことが適当であると整理した」と明記。2.4GHz帯を利用する無線LANや、Bluetoothなどは非占有型とされているため、料金は不要となりそうだ。

 占用型については、議論が先送りされている。ちなみに“免許不要局で、かつ帯域を占用するもの”の具体例としては、QoSのため広帯域を占有する「次世代情報家電でのデジタルテレビ伝送」などが想定されているようだ。「仮に利用料を徴収する場合…(中略)…具体的な徴収方法は、徴収コストなどの観点、および自由な電波利用環境をできるだけ大切にする観点を踏まえた検討が必要である」(報告書より抜粋)という。

携帯の「周波数オークション」には否定的

 報告書では、移動体通信システムにも言及。2003年10月に策定された「周波数再編方針」に沿って、昨日の発表のとおり(9月30日の記事参照)1.7GHz帯や2.5GHz帯を中心に約330〜340MHz幅を移動体向けに確保するほか、5〜10年以内に5〜6GHz以下を中心に最大で約1.38GHz幅を確保することなどが示されている。

 電波の経済的価値概念の導入にあたり、欧州などで実施された「第3世代携帯電話の電波オークション」(2003年9月16日の記事参照)を日本でも実施することには否定的。

 「高騰した落札額を携帯電話事業者から徴収して、国際償還などのために一般財源に充てた結果、国家の成長戦略産業であるIT産業の衰退を招くとともに、そのサービスが未だにほとんど開始されていない現状を踏まえることが必要」(報告書より抜粋)と、同手法に強い疑念を表明している。

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