ソフトバンクのネットワークはなぜ快適なのか――「寄せ集め」から、TDDを生かしたC-RAN構成に進化石川温のスマホ業界新聞

» 2025年12月21日 16時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 2025年12月10日、ソフトバンクは「ソフトバンクが考える5Gネットワークの進化」というラウンドテーブルを開催した。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2025年12月13日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 オープンシグナルの調査ではauが3連覇を果たす中、ソフトバンクの宮川潤一社長は「現場では調査方法がどうかと思っている」と主張。ソフトバンクのネットワーク部隊としては、auに決して見劣りしない、ユーザーが高品質を実感できるネットワークが構築できていると自負しているようだ。

 実際、ソフトバンクでは5G SAを急速に広めている。エリアだけでなく、Apple Watch発売時にはRedCap、Xperiaの新製品が出た際にはVoNRを導入するなど、5G SAエリアが構築できているからこそ導入できる新技術を矢継ぎ早に採用している。

 ソフトバンクの話を聞いていると、ひとつ肝になっていそうなのが「C-RAN構成」だ。異なる場所にある基地局も、集約された制御装置(BBU)によって処理を行うことで、すべての周波数帯を最大限に利用でき、ユーザーの体感を上げられるというわけだ。

 異なる場所の基地局、複数の周波数帯、さらに異なるメーカー機器を集約的に制御できるようになったのは、ボーダフォン買収後、イー・モバイルやワイヤレスシティプランニングなど良い意味で「寄せ集め」のネットワークだったからこその知見といえそうだ。

FDDとTDDのキャリアアグリゲーションにおいても、電波が飛びやすいFDDでULを送信することで、TDDエリアを拡大しつつ、UL速度の向上につなげるという。

 また、4.6万局でHPUE(High Power User Equipment)に対応することで、端末の送信電力を上げて、エリアを拡大しつつ、UL速度の向上に寄与している。

 ソフトバンクの強みはやはりTDDの扱いが上手い点にあるとされる。

 ネットワーク品質で苦戦している他社は、どれだけ、基地局間の連携が図れているのか。過去に説明会で「基地局のアンテナの向きを調整する」とか「セルエッジ部分ではどうしても品質が落ちる」とか「プラチナバンドをつかんでしまうと、なかなか他の周波数帯に移行しない」といった話を聞くにつれて、基地局や制御装置で複数の周波数帯を上手くコントロールできていないのではないかという疑問が湧くのだ。

 単に基地局の数を増やすという対策も効果があるのかもしれないが、ネットワークの品質問題が浮上してまもなく3年になろうとする中、単に「トラフィックが増えた」だけではない、構造的な原因があるような気がしてならないのだ。

© DWANGO Co., Ltd.

アクセストップ10

2026年08月11日 更新
  1. 楽天の三木谷氏がStarlinkに言及――「正直に言って……」 AST SpaceMobileは過疎地域や海上で効果発揮か (2026年08月10日)
  2. LINEの「ミュートメッセージ」有料化へ 相手のスマホを鳴らさずに送れる便利機能 (2026年08月10日)
  3. KDDIからの独り立ちを目指す楽天モバイル、ローミング交渉の現在地――両社の考えを整理 (2026年08月10日)
  4. 【ワークマン】1900円の「アーバンマルチストレージショルダー」 大きく開く小分けポケット搭載 (2026年08月10日)
  5. ハイエンドスマホ「arrows Alpha」、IIJで半額以下の3万円台に 11月4日21時59分まで【スマホお得情報】 (2026年08月10日)
  6. ソニーに聞く「Xperia 1 VIII」の裏側 デザイン刷新や20万円超えの理由、物議を醸したAIカメラ新機能の真相 (2026年08月10日)
  7. NHK受信料パトカー・消防車から徴収問題、猛反発を受け「検討を進めていく」と会長 (2026年08月07日)
  8. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  9. 楽天モバイルの「営業損失」と「解約率」は改善を継続――楽天グループが2026年度第2四半期決算を発表 (2026年08月10日)
  10. 楽天モバイルのローミングは「予定通り9月末に終了」 ただし「ルーラル限定で継続」の可能性も (2026年08月07日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー