世界を変える5G

ソフトバンク、5Gミリ波FWAで高速Wi-Fiを提供 “非対応端末”の通信も安定化

» 2025年12月09日 15時35分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 ソフトバンクは12月9日、5Gミリ波のFWA(Fixed Wireless Access、固定無線アクセス)を用いた屋外Wi-Fi通信の実証に成功したと発表した。

 今回の取り組みは、同社が10月に実施したミリ波スタンドアローンのFWA通信実証を発展させたもので、商用ネットワーク環境をそのまま利用しながら、公衆向けWi-Fiサービスを屋外会場で実際に提供する形で行われた。会場は東京都豊島区で開催された大規模イベントで、3日間の来場者数は延べ16万人を超えた。

ソフトバンク ミリ波 スポット 公衆無線LAN ソフトバンクは、2025年10月に実施した商用ネットワーク環境でのミリ波スタンドアローンによるFWA(固定無線アクセス)通信の実証実験を発展させ、今回新たに屋外での公衆Wi-Fi通信の実証実験に成功した。この成果により、ミリ波活用のさらなる拡大が期待される

 実証では、28GHz帯のミリ波をFWAのバックホールに用い、屋外設置型のFWA用CPEを経由して会場内に6台のWi-Fiアクセスポイントを展開した。最も通信が集中した時間帯でも速度低下が許容範囲に収まり、端末が多い状況でも通信が途切れにくい環境を維持したと説明している。ミリ波に非対応のスマートフォンも含め、多数の端末の通信をモバイルネットワークからWi-Fiへ効率的にオフロードできたことを確認し、通信品質の安定性を裏付けた。

 会場ではSoftBankとY!mobileの利用者に加え、他社ユーザーや訪日客にもWi-Fiを開放した。チャネル帯域幅は実運用を想定し20MHzに制限していたが、同社は広い帯域を使用すればさらなるスループットの向上が見込めるとしている。トラフィックが集中するイベント会場では、ミリ波の広帯域性が有効に作用し、モバイルネットワーク全体の負荷を下げる効果も期待できるとしている。

 今回使用したCPEや関連機材は小型かつ軽量で、光ファイバーを敷設することなく短期間で設置できる点も特徴だ。ミリ波基地局の電波が届く範囲なら柔軟に設置場所を選べるため、会場設営の制約が大きいイベントでも利用しやすいという。こうした特性は、通信インフラを素早く整える必要がある自治体や公共施設での活用にも適すると見られている。

ソフトバンク ミリ波 スポット 公衆無線LAN 広帯域・大容量通信が可能なミリ波は、直進性が高くエリア展開が難しいため商用利用は限定的だった。一方で、災害時や光回線敷設が困難な地域・施設での活用が期待されている。ソフトバンクはWi-Fiとの連携により、非対応端末でも高品質な通信環境を提供し、ミリ波の有用性を社会へ広げることを目指す

 同社は、今回の成果を踏まえ自治体・公共施設での即時対応型通信インフラ、学校への高速通信提供、災害時の避難所での大容量通信、イベントやスタジアムでの混雑緩和など、複数のユースケースを検討している。産業分野では、工場や港湾での映像監視や遠隔制御、IoT通信などにもミリ波FWAの適用を視野に入れる。

 実証への協力として、池袋ハロウィンコスプレフェス実行委員会が会場を提供し、富士ソフトがミリ波CPEを提供した。同社はミリ波とWi-Fiの連携を最適化するさらなる検証を進め、ミリ波の用途拡大を図る方針だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月27日 更新
  1. 「海外からの迷惑電話が解消した」との声も NTTタウンページの「詐欺対策」アプリ、累計100万ダウンロード突破 (2026年06月25日)
  2. 年会費9万9000円の価値はある? 最上位クレカ「Olive Infinite」と「Visa Infinite」の違いと持つべき人 (2026年06月25日)
  3. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  4. スマホの短期解約、最長1年の「継続利用」容認で抑制へ 「お試し割」は統合 総務省が取りまとめ (2026年06月25日)
  5. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  6. iPhoneそっくりなだけじゃない、コラボモデルもある「HONOR 600 Pro」 (2026年06月26日)
  7. 「実質24円」は今後も続く? スマホ残価設定は「現状維持」、残価率の一律化は「適当ではない」と総務省が評価 (2026年06月25日)
  8. 「日本は6G周波数の議論すら始まっていない」 クアルコムが抱く危機感と、AI時代の次世代通信 (2026年06月26日)
  9. ソニー「aibo」の国内販売終了 なぜ、人に愛される存在になったのか (2026年06月25日)
  10. iPadやMac値上げでiPhoneはどうなる? Apple直販は価格維持も、キャリアや量販店で値上げの動きが続く (2026年06月26日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー