デビルマン「美樹ちゃんの携帯に付けてもらいたくて……」Mobile&Movie 第133回

» 2004年10月15日 16時38分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名デビルマン
監督那須博之
制作年・製作国2004年日本作品
 ※公開中の作品です。映画を見る予定の人は、見終わってからこの記事をお楽しみください。

 今から遡ること四半世紀、原作の漫画そしてアニメーションで一世を風靡した「デビルマン」。悪魔と人間、それぞれの宿命を背負ったデビルマンのキャラクターは衝撃的でした。その伝説のヒーロー、デビルマンが実写映画化され、21世紀に再び蘇りました。

 この作品では、主人公・不動明とガールフレンドの美樹が携帯電話を使って、互いの気持ちを確かめ合うシーンが登場します。ダーティな世界観の中、この場面でひととき心が温まるのです。

 不動明は四年前に両親を亡くして以来、牧村家に引き取られ、家族の一員として仲良く暮らしていました。同じ歳の牧村家の一人娘・美樹とは、おたがい好意を抱く仲。近すぎるために、なかなか言葉では表せずにいました。また、明には、絶大な信頼を寄せる飛鳥了という親友がいました。研究者である飛鳥教授を父親に持ち、何不自由なく育った了は、何をやっても学校で一番で、明にとって憧れの存在でもありました。

 飛鳥教授は新エネルギーを求め、南極の地底湖の調査をおこなっていました。長年の研究の甲斐あって、飛鳥教授は巨大なエネルギーを持つ物体を発見します。しかし、そこから出てきたのはデーモン。デーモンとは他の種族の体を乗っ取り、繰り返し進化し続ける知的生命体。人類が生存する前から封じ込められ、放出を待ちに待っていたデーモンたちは次々と人間を乗っ取り始めたのです。

 了に連れられ、明は飛鳥教授の研究所へやって来ます。そこで、明は記憶装置(アイビデオ)を通じてデーモン復活の一部始終を目撃してしまいます。現実とは思えない恐ろしい映像に愕然とする明。そして、次の瞬間、明にも“デーモン”が襲いかかってきたのです。凄まじい浸食の中、邪悪なデーモンに必死に抵抗する明。やがて、明の純粋な心がデーモンに打ち勝ちます。しかし、その姿は、もはや人間ではなく、デーモンそのもの。人間の心を残したまま、デーモンに変貌してしまったのです。

 その頃、日本各地でデーモンによる侵略が始まっていました。明や美樹たちの通う高校でも、デーモン騒ぎが起こっていました。正義感の強い美樹は、デーモンの疑いをかけられたミーコをかばいます。しかしミーコもまた、デーモンの憑依を受け止められずにいました。デーモンによる無差別殺人、そして人間によるデーモン狩り、世界中がパニック状態に陥っていました。そんな中、明は自分の中に入り込んだデーモンの能力を操り、デビルマンとして人間を、そして愛する美樹を守るため、戦うことを決意するのでした。

 そんな気持ちをこめて、明は美樹に携帯電話のストラップをプレゼントします。

「美樹ちゃんの携帯に付けてもらいたくて……」

 それはデビルマンの小さなフィギュア。

「いやよ、こんな気味の悪いの」

 笑いながら、美樹はストラップを受け取りました。

「明くんは神様を信じる?」

 美樹は携帯電話で、ムービーを撮影しながら質問します。

「神様っているのか?」

 逆に美樹に尋ねる明。

「いるわ。すぐそばに」

 穏やかな天使のような美樹の笑顔に、救われる明。

「世界が滅びたって、俺が美樹ちゃんを守るよ」

 と想いを伝えたのでした。

 幸せな時間は長くは続かず、美樹や明の周辺にも危険が迫っていました。デーモン狩りがエスカレートし、疑いをかけられた人間が容赦なく捕えられ、抹殺されていったのです。人間を守る為の戦いは果たして正義なのか、そこに価値はあるのか……。デビルマンは人間を守りきることができるのでしょうか。

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