第1回 90xiの時代に何を作るか90xi専用ゲームiアプリ開発講座(1/2 ページ)

» 2004年10月18日 15時59分 公開
[澤橋辰典・武上将樹,ITmedia]

 2004年2月に発売が開始された900iシリーズは、その後順調に販売数を伸ばし、2004年9月には400万契約に達した(9月24日の記事参照)。さらに8月1日には、NTTドコモのパケット定額サービス「パケ・ホーダイ」の契約数も100万契約数を突破している(7月28日の記事参照)

 かつてのように、パケット代がユーザにとって非常に大きな負担となっていた時代には、サーバと頻繁な通信を行うアプリは難しかった。ネットワーク通信を行うアプリは数あれど、パケット代のことを考えると、ハイスコアの全国ランキング以上のものはなかなか作りにくかったのが実情だ。

 しかし、これからは違う。頻繁な通信を行うMMORPGのようなアプリや、またサーバに大量のデータを保持したアドベンチャーゲームも可能になる。パケット定額制導入により、アプリの可能性は大きく広がったのだ。

契約プラン 1パケット単価(円) 100Kバイトのダウンロードでいくらかかるか(円)
PDC 0.3 240
FOMA(パケットパックなし) 0.2 160
FOMA(パケットパック1000) 0.1 80
FOMA(パケットパック3000) 0.05 40
FOMA(パケットパック6000) 0.02 16

 900iシリーズは、かつての505iシリーズと比較すると、パケ・ホーダイなどのサービス面・あるいはアプリに利用できるメモリ容量などハード面で、非常に大きな魅力を備えている。

 本講座では、まず900iがユーザにどのような“魅力”を提供しているのかについて概観した上で、900iユーザにふさわしいゲームアプリを開発し、解説する。

ハードの進化、機能の強化

 505シリーズから900シリーズの間には、数多くの進化がある。それはカメラの高性能化や、通信速度の向上などだ。しかし、iアプリについて考える上で、最も重要な進化点を1つ挙げるとするなら、それはアプリ容量とスクラッチパッド(記憶領域)容量の拡大にほかならない。

 505iから900iになって、アプリ容量は、30Kバイトから100Kバイトへ、スクラッチパッド容量は200Kバイトから400Kバイトへ拡大した。

 これは大規模で凝ったアプリの作成が可能になったと同時に、画像や音声なども大量に保存できることを意味している。筆者はP900iで「ファイナルファンタジー」を実際に遊んでいるが、グラフィック面ではスーパーファミコンに匹敵する程である。

 記憶容量の問題は、505i以前の開発者にとっては小さくない制約であったが、900iになって、より高い自由度(少なくともファミコンレベル)で、アプリ開発に望めるようになったことは大きい。

シリーズ アプリ容量 スクラッチパッド容量
505i 30Kバイト 200Kバイト
900i 100Kバイト 400Kバイト
ドコモの端末シリーズごとのiアプリ関連容量データ
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